パリ五輪、政府首脳ら招待 仏大統領、イスラエル大統領に「停戦」求める 五輪外交活発化

AI要約

パリ五輪の開会式には100人を超える各国の政府首脳や国際機関の幹部が招待され、マクロン仏大統領が「五輪外交」を展開している。

ヘルツォグ大統領やスターマー首相、韓正国家副主席、バイデン大統領の妻らが出席し、各国との関係強化や修復が図られている。

大会期間中にはウクライナのゼレンスキー大統領も訪仏する可能性がある。

【パリ=板東和正】パリ五輪の開会式には100人を超える各国の政府首脳や国際機関の幹部らが招待された。マクロン仏大統領は来訪する首脳らと交流を深める「五輪外交」を展開した。

欧州メディアなどによると、イスラエルのヘルツォグ大統領が開会式に出席。マクロン氏は26日、開会式に先立ち、ヘルツォグ氏をパリのエリゼ宮に招いて会談した。両首脳は五輪に出場するイスラエル選手の安全を確保する方針を確認。マクロン氏はパレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘を巡り停戦を求めたとされる。

開会式には、今月就任した英国のスターマー首相も出席。開会式の直前、マクロン氏とハグし、言葉を交わした。スターマー氏は英国の欧州連合(EU)離脱を促進した英保守党の前政権下で冷却化した欧州との関係修復を図っている。

また、中国は韓正国家副主席が開会式に参加した。新型コロナウイルス禍の中で行われた東京五輪の開会式には閣僚級の苟仲文(こう・ちゅうぶん)国家体育総局局長(当時)を派遣していた。米国との対立が続く中、フランスと関係深化を図る狙いもあるとみられる。

開会式にはドイツのショルツ首相や、米大統領選からの撤退を表明したバイデン大統領の妻、ジル夫人も姿を見せた。大会期間中はウクライナのゼレンスキー大統領も訪仏する可能性がある。