延吉冷麺の魅力 中国東北地方の伝統と新しい食べ方

AI要約

中国東北地方の人気料理である延吉冷麺と鍋包肉が絶妙な組み合わせとして注目されている。

延吉冷麺は若者に人気であり、氷碗冷麺も人気を集めている。

延吉冷麺の特徴やスープの重要性、具材の豊富さ、地域の文化としての意味について紹介されている。

延吉冷麺の魅力 中国東北地方の伝統と新しい食べ方

【CNS】中国東北地方で人気の二大料理である「延吉冷麺」と「鍋包肉(東北風酢豚)」が出会う。一方は冷たく、一方は熱々で、一見調和しないように見えるが、実際には絶妙な組み合わせだ。この夏、ソーシャルメディアの影響で、多くの食通が吉林省(Jilin)延辺朝鮮族自治州(Yanbian Korean Autonomous Prefecture)延吉市(Yanji)を訪れ、これらの料理を試している。

 広東省(Guangdong)からの観光客、潘暁晴(Pan Xiaoqing)さんは「外はカリカリ、中は柔らかな鍋包肉を冷麺の中に浸すと、酸味、甘味、塩味が口の中でぶつかり合って、とても満足感がある」とは絶賛する。

 延吉冷麺は、中国の朝鮮族伝統料理であり、「中国十大面条(中国十大麺料理)」の一つに数えられる。近年、その独特な風味と新しい食べ方で若者に人気がある。「延吉冷麺」や「延吉冷麺の作り方」といったトピックが抖音(Douyin)での再生回数は5000万回を超え、小紅書(Red)にも9000を超える食レポートが投稿されている。多くの若者が冷麺を楽しむための店巡りの体験をシェアしている。

「熱冷ミックス」だけでなく、延吉市にある40年近くの歴史を持つ老舗冷麺店「延吉参花冷麺店」で提供される「氷碗冷麺」も非常に人気がある。

 潘暁晴さんは、「氷碗冷麺は、本物の『氷の碗(わん)』を使っていて、冷たさが見て触って実感できる。酸味と甘味のあるスープとコシのある麺は、口に入れると暑さを吹き飛ばしてくれる」と話す。

 氷の碗を作るのは簡単で、型に水を注いで凍らせるだけだが、透明で美しい氷にするためには純水を使用するのがベストだという。延吉参花冷麺店の趙麗娜(Zhao Lina)さんによると、ピーク時には1日500~600杯の冷麺を販売しているという。

 延吉冷麺は、その場で作られるのが特徴だ。冷麺店では、麺を作る機械が沸騰するお湯の上に設置されており、絞り出した麺生地がそのまま鍋に入り、1~2分で透明感のある深茶色の麺が出来上がる。延吉冷麺は非常にコシがあり、一口で噛み切れないこともあるため、店内にはハサミが用意されている。

 延吉冷麺の命はスープと言われている。延辺朝鮮族伝統料理協会の金愛淑(Jin Aishu)氏は、スープは通常、牛肉と牛骨を煮込んで作られ、牛骨や牛肉を取り出し、浮いている油を取り除いた後、何度もろ過して澄んだスープに仕上げると説明している。

 金氏は、地元の冷麺店には独自の秘伝のレシピがあり、冷麺が提供されると、まずスープの味を確認するのが一般的だという。地元の人びとは、さらに冷たい食感を求めてスープを氷状にすることもある。

 延吉冷麺の具材は豊富で、牛肉、卵、キュウリ、キャベツ、鶏肉団子、リンゴ、ゴマ、スプライト、キキョウなどの漬物が含まれている。店によっては、顧客の多様なニーズに応えるため、牛肉をエビや朝鮮人参に変えることもある。

 延辺地域では、延吉冷麺はただの料理ではなく、感情の表れでもある。朝鮮族にとって重要な「花甲宴(還暦祝いの宴)」で出される冷麺は多幸と長寿を象徴し、「長寿麺」とも呼ばれている。「冷麺は地元の人びとの血とともに生きている」と金愛淑氏は語る。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。