オリンピック開幕に向け進む「浄化」 パリで「排除」されるのは誰

AI要約

パリとその周辺で五輪開幕に向けて警察が移民らを排除する取り締まりが行われている。取り締まりは五輪とは無関係だとされているが、支援団体からは社会的に困窮する人々を隠すための「浄化」として批判されている。

開幕直前に警察が移民が多く集まる地域で立ち退きを強制。サンドニ運河周辺では100人以上の路上生活者が立ち退きの対象となり、用意された宿泊施設も満足に提供されていない状況。

取り締まりに対する批判が高まる中、五輪を前に社会的に弱い立場の人々に対する排除が進められている実態が浮き彫りになっている。

オリンピック開幕に向け進む「浄化」 パリで「排除」されるのは誰

 五輪開幕が迫るパリとその周辺で、警察が路上生活をする移民らの「排除」を進めている。当局は五輪とは無関係の取り締まりだとしているが、支援団体からは五輪を前に社会的に困窮する人たちの存在を隠すための「浄化だ」との批判が強まっている。

 開幕直前に聖火ランナーが走るコース近くを流れるパリ北部のサンドニ運河。移民が多く集まるこの地区に17日早朝、約20人の警察官が現れた。「早く出てきてください」。運河沿いのテントの中で眠る人たちに次々と声をかけていく。強制的な立ち退きだ。

 地元行政当局によると、この日、サンドニ運河の護岸で立ち退きの対象になった路上生活者は100人を超えた。希望者はパリ近郊の宿泊施設に身を寄せることができるが、記者が確認した限り、用意された大型バス3台のうち2台はがらがらだった。