ロシアの「闇タンカー」監視強化で合意 制裁逃れ対策で欧州45カ国
AI要約
英国を含む欧州45カ国が、ロシアの「闇タンカー」による原油輸出を監視強化することで合意した。
G7やEUなどが設定したロシア産原油の価格上限制限を逃れるため、ロシアは闇タンカーを利用して取引を続けている。
英国は闇タンカーの制裁リストに11隻を追加し、安全保障を危険にさらさないための取り組みを進めている。
ロシアが制裁を逃れて原油を輸出するために利用している「闇タンカー」について、英国など欧州45カ国が監視を強化することで合意した。欧州連合（EU）や周辺国で構成される「欧州政治共同体」の会合が英国で開かれた18日、英首相官邸が発表した。
ロシアにとって、原油の輸出は最大の収入源。主要7カ国（G7）やEU、豪州は2022年12月以降、ウクライナ侵攻への制裁として、ロシア産原油の取引の上限価格を1バレル=60ドルに設定している。だが、ロシア側は、所有者の特定が困難な「闇タンカー」を使うなどして取引を続けていると、欧米側は指摘している。
英首相官邸によると、こうしたタンカーは約600隻に上り、1日当たり170万バレルの原油を運んでいる。老朽化していたり、位置情報システムを切っていたりするケースも多く、重大事故が起きる懸念もある。
英国はまた、独自に闇タンカー11隻を制裁リストに追加した。スターマー英首相は18日、「ウクライナは政府のアジェンダの中心だ。ロシアの闇タンカーが汚れた資金を生み出し、我々の安全保障を危険にさらすことを許さない」とする声明を出した。（ロンドン＝藤原学思）
