日米韓の「制服組」トップが共同声明 北朝鮮の核開発停止要求

AI要約

自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長と米軍のブラウン統合参謀本部議長、韓国軍の金明秀(キムミョンス)合同参謀本部議長らが18日、防衛省で会談。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の影響力拡大に対処するためのグローバルな安全保障協力が議論された。

日米韓の制服組トップ会談は初めて日本で開催され、地域の平和と安定を重視。北朝鮮や中国に対する共同声明では、行動の停止や力による現状変更に反対する姿勢を示した。

日米韓は安全保障協力の強化を進め、ミサイル発射情報の共有や共同訓練の実施などを通じて連携を深めている。今回の会談は、地域の安全保障環境が悪化する中で、さらなる協力の重要性が強調された。

日米韓の「制服組」トップが共同声明 北朝鮮の核開発停止要求

 自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長と米軍のブラウン統合参謀本部議長、韓国軍の金明秀(キムミョンス)合同参謀本部議長らが18日、防衛省で会談した。日米韓の「制服組」トップ3人が日本で会談するのは初めて。朝鮮半島やインド太平洋地域にとどまらない、グローバルな安全保障協力を深める具体的方策を議論した。

 共同声明では、北朝鮮が進める核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力の拡大について「全ての安定を損なう活動」として停止を要求。さらに、威圧的な海洋進出を活発化させる中国を念頭に、インド太平洋地域で「いかなる力による一方的な現状変更の試みにも反対する」とした。

 日米韓の制服組トップ会談は2014年に始まり、オンラインを含めて今回が15回目。対面式は米国で開催されてきたが、6月の日米韓防衛相会談で、安全保障協力を制度化する新たな取り組みとして各種会合を持ち回りで開くことが確認され、日本での初開催に至った。この日の会談冒頭、吉田氏は「グローバルな安全保障環境は悪化の一途をたどっている。日米韓の強固な結束を内外に示すことが地域の平和と安定に極めて重要」と意義を強調した。また、25年の会談は韓国開催で合意した。

 日米韓は23年8月の首脳会談の共同声明で「安全保障協力を新たな高みへと引き上げる」とし、同年12月、北朝鮮のミサイル発射情報を即時共有するシステムの運用を開始した。今年6月には複数領域にまたがる共同訓練「フリーダムエッジ」を実施するなど、連携強化の取り組みを積み重ねている。【松浦吉剛】