【英国】新政権の施政方針、内容発表 35法案盛り込み=AI関連など

AI要約

労働党新政権は、施政方針演説で人工知能(AI)法案を含む35本以上の法案を盛り込む方針を示した。経済成長の促進やクリーンエネルギー政策などが焦点となる中、厳格な財政規律の確認も行う。

AI法案では、最先端のAI技術の安全性確保を重視し、特に大規模言語モデル(LLM)の規制が注目されている。LLMには差別や偏見、データ保護などの懸念が指摘されている。

英国はAI安全性サミットを開催し、世界各国との協力を図っており、前政権から引き継がれたAI法案策定に取り組んでいるが、政権交代により進捗が白紙化されている。

 労働党新政権は14日、17日に予定されるチャールズ国王の施政方針演説に人工知能(AI)法案を含む35本以上の法案を盛り込む方針を明らかにした。経済成長の促進を中核に据え、成長産業への投資促進に向けた「ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)」や、2030年までのクリーンエネルギー政策などを正式に打ち出すほか、厳格な財政規律を守ることをあらためて確認する。

 施政方針演説は議会の開会に際して行われるもので、国王は政府の作成した原稿を読み上げる。フィナンシャル・タイムズによると、AI法案では最先端のAI技術の安全性確保を重視する考えで、中でも大規模言語モデル(LLM)が規制対象になる可能性が高い。LLMは米新興企業オープンAIが手がける対話型AIチャットボット「チャットGPT」などの基盤となる汎用技術だが、差別や偏見を巡るリスクやデータ保護などさまざまな問題が指摘されている。

 英国は昨年11月、世界初となる「AI安全性サミット」を開催。米国を含む28カ国および欧州連合(EU)と、AI技術がもたらすリスクや機会の理解を深めるために協力することで合意した。スナク前政権も規制当局の立ち上げを柱としたAI法案の策定に着手していたが、政権交代で白紙に戻っている。