イタリア、35年ぶりに「脱原発」廃棄…小型モジュール原発の許容推進

AI要約

イタリア右派政府が炭素排出量削減のため原子力エネルギー再導入を推進

イタリアは35年ぶりに原子力発電所再導入を検討

世界各国の原子力エネルギー政策の動向と日本の新たな構想

メローニ首相が率いるイタリア右派政府が炭素排出量を減らすために原子力エネルギーの再導入を推進する。最後の原発を閉鎖して35年ぶりだ。

ジルベルト・ピケット=フラティン環境・エネルギー安全保障相は14日(現地時間)、フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、10年内に小型モジュール型原子炉(SMR)が稼動できるようにSMR投資許容法案を発議する計画だと話した。化石燃料の依存度を減らすために2050年までに全体電力消費量の11%以上を原子力が担当するようにするという構想だ。

ピケット=フラティン氏はクリーンエネルギーの持続性を担保するためにも原子力エネルギーを活用しなければなければならないと説明した。太陽光や風力など現再生エネルギー技術がクリーンエネルギーの持続性を保障できないとしながらだ。

イタリアは1960~70年代に4基の原子力発電所を建設し、原発を拡大しようとした。しかし86年チェルノブイリ原発事故が起こると国民投票を経て脱原発を決定し、90年に最後の原子炉が閉鎖されてからイタリアは脱原発国家と呼ばれてきた。その後、リトアニア(2009年)やドイツ(2023年)も原発稼働を中断した。

イタリアに先立ち脱原発を決めた国家にはオーストリア・スウェーデンがある。オーストリアは原発を建設して(78年)安全への懸念が高まり国民投票を通じて原発稼働自体が取りやめになった。スウェーデンは80年原子力発電を段階的に廃止することにしたが、2010年これを撤回して現在は電力の40%を原子力発電に頼っている。

イタリアではベルルスコーニ首相時期の2010年代に原発再導入が推進されたが2011年東日本大震災に伴う福島原発事故の余波により、国民投票で反対意見が90%を超えたため取りやめとなった。

ピケット=フラティン氏は最新の技術が原子力に対する国民的反感を克服できると期待している。また、太陽光発電に関連して「主に中国で製造される太陽光パネルに対する過度な依存に対して懸念している」と述べた。

最近、世界は原発拡大への動きを見せている。米国のバイデン大統領は去る9日、原子力発電所拡大方針を盛り込んだ法案に署名した。大量の電力を消費する生成型人工知能(AI)およびデータセンターの拡充に伴う発電需要はもちろん、主要7カ国(G7)が合意した「2035年石炭火力発電の全面中断」ロードマップに対応するためだ。

2011年福島原発事故以降、「脱原発」政策を追求していた日本政府も老朽化した原発を廃炉にする場合、その数と同じく新しい原子炉を建設することができるように承認する方案を検討している。