中国除く新興国、昨年の総資本流入は2018年以来の高水準=IMF

AI要約

IMFによると、中国を除く新興国市場は昨年1100億ドルの総資本流入を記録し、2018年以来の高水準に達した。

米国の金利上昇で資金がドル建て資産に流れたが、新興国市場は一定の強靭性を示し、FDIの安定した流入が見られた。

報告書によると、中国は2022-23年に資本が流出し、全世界の総資本流入は減少傾向にある。

中国除く新興国、昨年の総資本流入は2018年以来の高水準=IMF

David Lawder

[ワシントン 12日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)が12日公表した「対外部門の安定性に関する報告書」によると、中国を除く新興国市場は昨年の総資本流入が1100億ドルとなり、2018年以来の高水準を記録した。総国内総生産(GDP)に対する比率は0.6%だった。

米国の金利が急激に上昇し、資金がドル建て資産に流れ込んだにもかかわらず、新興国市場にはある程度の強じん性が見られた。純流入額は、不安定なポートフォリオ投資では減ったが、外国直接投資(FDI)では安定していた。

IMFは報告書の公表と同時に行ったブログへの投稿で、「これは基礎的諸条件がより強固になったのが一因だ。実際のところ多くの国が今では財政、金融、金融政策の枠組み、さらには政策やツールの実効性の向上によって恩恵を受けている」と指摘した。

報告書によると、中国は2022─23年に資本が差し引きで流出し、FDIも純流出だった。

また22─23年の全世界の総資本流入は、17─19年の4兆5000億ドルから4兆2000億ドルに減少。全世界のGDPに対するGDPに対する比率も5.8%から4.4%に低下した。

一方、米国は22─23年に全世界の総資本流入に占める比率が41%となり、17─19年の23%からほぼ2倍に上昇した。米国は総資本の流出でも世界全体に占める比率がこの間に14%から21%に上昇した。