「時代遅れ」AppleのCMシリーズ、タイの描写に批判。動画を取り下げ謝罪

AI要約

Appleの人気CMシリーズ『The Underdogs』の第5弾がタイの描写について批判を受け、動画の公開が取り下げられる事態となった。

タイを舞台にしたCMは、時代遅れであり近年の発展を無視しているとの指摘があり、タイのインフルエンサーや政治家たちから異議の声が挙がっている。

Appleは動画の公開を取り下げ、謝罪の声明を発表している。

「時代遅れ」AppleのCMシリーズ、タイの描写に批判。動画を取り下げ謝罪

Appleの人気CMシリーズ『The Underdogs』で、第5弾の舞台となったタイの描写が「時代遅れ」で「近年の発展を無視している」と国内から批判が殺到。同社は動画の掲載を中止し謝罪した。

「The Underdogs」は、2019年から続いているドラマ仕立てのCMシリーズ。4人の不器用な同僚たちが、Apple製品をスマートに活用し、障害を乗り越え製品開発を進めていく。

第5弾「OOO(Out of Office)」では、新たな工場を探すため、お馴染みのメンバーがタイを訪れる。

CMは実際にタイで撮影された。ところが、映像がセピア色に編集されていたり、登場人物たちがあまりに老朽化したホテルに泊まったり、街の荒廃した場所にカメラが焦点を当てていたりと、タイが「開発途上国」だという印象を不必要に与えるとして、国内外から指摘の声があがった。

近年目覚ましいタイの発展が偏見に基づいて無視されていると、タイのインフルエンサーや政治家たちが異議を唱えている。

ブルームバーグによると、下院議員で法務・人権委員会広報担当のサットラ・スリパン氏は「タイの人々はこの広告に深い不満を抱いている」と語った。

タイ在住のアメリカ人コンテンツクリエイター、デビッド・ウィリアム氏は「動画を見た時、50年前、70年前のタイだと思った」とTikTokで抗議した。投稿は1600万回以上再生されている。

ウィリアム氏はCNNの取材に対し、10年近くタイに滞在しているが「あんなにひどいタクシー(トゥクトゥク)は見たことがない」と語った。

批判を受け、Appleは動画の公開を取り下げた。同シリーズの他の動画はYouTubeで公開されているが、コメント欄が閉鎖されている。Appleは各メディアに謝罪の声明を発表した。

「私たちは、タイの楽観主義と文化を称えることを意図していました。今日のタイの活気を十分に表現できなかったことをお詫びします」