食用油、燃料トラックで輸送か 怒り噴出、当局が調査 中国

AI要約

中国で食用油の輸送に燃料運搬用トラックが使われていた疑いが浮上し、食の安全への懸念が高まっている。

複数のトラックがタンクを洗浄せずに食用油を輸送しているという報道があり、各社が社内調査を開始する一方、中国政府も厳重な処分を行う方針を示している。

食品安全への関心は高く、消費者の怒りが爆発しており、化学物質混入事件以来、食品業界における問題には敏感な対応が求められている。

 【北京時事】中国で、食用油の輸送に燃料運搬用のトラックが使われていた疑いが浮上した。

 食の安全への懸念が高まっており、当局が調査に乗り出す事態となっている。

 発端は、中国紙・新京報の今月2日の報道。燃料などを運んだ複数のトラックが、タンクを洗浄せず食用油を輸送していることを独自調査で確認したと報じた。トラックは、国有の穀物備蓄大手「中国食糧備蓄管理総公司(シノグレイン)」傘下の工場などに出入りしていたという。同紙は、こうした行為は「運送業界では公然の秘密」だという運転手の証言を紹介。競争が激化する中、コスト削減のため日常的に行われている可能性を指摘した。

 報道を受け、同社など食用油を扱う各社は社内調査を開始。国務院(中央政府)の食品安全委員会も調査チームを設置し、責任者を法に基づき厳正に処分すると発表した。

 中国では、2008年に化学物質メラミンが混入した粉ミルクで大規模な健康被害が発生。食品の安全に対する関心は高く、SNSなどでは消費者の怒りが爆発している。