波紋続くパリ五輪開会式 同性愛公表の芸術監督も誹謗中傷の被害に

AI要約

パリ五輪に参加したフランスの性的少数者らがSNSで誹謗中傷を受ける事態が続いている。

開会式での派手な演出が一部でキリスト教を揶揄したと批判を受けている。

芸術監督のジョリー氏も脅迫などの被害を受けており、検察当局が捜査を始めている。

波紋続くパリ五輪開会式 同性愛公表の芸術監督も誹謗中傷の被害に

 パリ五輪の開会式や聖火リレーに参加したフランスの性的少数者らが、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷にさらされる事態が続いている。攻撃の標的になっている同性愛者の一人は「憎悪に自分が壊される」と悲痛な思いを漏らす。開会式の芸術監督で、自身も同性愛者であることを公表しているトマ・ジョリー氏も脅迫などの被害を受けていることが明らかになった。

 7月26日の開会式では、後半の一部の演出で派手な衣装やメイクで女装した「ドラァグクイーン」や性的少数者のDJ、歌手らが登場した。ただ、その場面がレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐(ばんさん)」をパロディー化してキリスト教を揶揄(やゆ)したなどと一部で受けとめられ、仏国内外の右翼政治家やカトリック関係者の反発を招いた。

 ジョリー氏はこれまでに問題視された場面について「『最後の晩餐(ばんさん)』から着想を得ていない」とキリスト教との関連を否定しているが、その後も米国のトランプ前大統領がテレビ番組で「恥だ」と批判するなど波紋は収まっていない。

 仏メディアによると、ジョリー氏にはSNS上で誹謗中傷や差別的な投稿が続いていて、検察当局が被害の届け出を受けて今月2日に捜査を始めた。