「再び独立国に」 移民急増のテキサスで上がる声

AI要約

米テキサス州で「テグジット(Texit)」と呼ばれる独立運動が一部で盛り上がっている。独立派は移民問題や連邦政府との対立を解決するために独立すべきだと主張している。

テキサス州はかつてメキシコの一部だったが、1836年に独立国家となる。その後米国に併合されたが、独立派は連邦政府の理解が不十分だと主張している。

テキサス州では、国境を越える移民の数が増加しており、独立を求める声が高まっている。主婦なども国境の保護を訴えている。

【AFP=時事】米テキサス州では、約200年前の独立国家だった当時の地位を取り戻すべきとの声が一部から上がっている。こうした人々が求めているのは、米国からの離脱「テグジット(Texit)」だ。

 分離派の人々は、独立することで国境に押し寄せる移民の問題と、メキシコ国境の管理をめぐるテキサス州と連邦政府との対立を解決できると主張する。

 民主党の米大統領であるジョー・バイデン(Joe Biden)氏と共和党のテキサス州知事であるグレッグ・アボット(Greg Abbott)氏との対立は、国家分断を浮き彫りにした。移民問題は、今年の大統領選での重要な争点にもなっている。

 テキサスの分離独立を目指す「テキサス・ナショナリスト運動(Texas Nationalist Movement)」の代表ダニエル・ミラー(Daniel Miller)氏はAFPの取材に、「テキサスが国境を守り、まともな移民制度を持つためには、世界の約200の国がそうしているように、独立国家として自治権を持つことだ。テキサスに住むわれわれは、そのことを理解している」と話した。

 テキサスはかつてメキシコの一部だったが、1935年~36年のテキサス革命(Texas Revolutionを経て、1836年に主権国家となった。それからわずか9年後、テキサスは28番目の州として米国に併合されたという歴史がある。

 しかし、テキサス州とその他の州は歴史と利害を共有してはいるが、自分たちの問題を連邦政府が理解しているようには思えないとミラー氏は言う。

 テキサスバーベキューのレストランで行われた集会に参加し、ミラー氏の演説に耳を傾けていた50代の主婦ミスティー・ウォルターさんは、国境を越えて押し寄せる記録的な数の移民について、「私たちは侵略に遭っている」とAFPに話す。

 そして「テキサス州は立ち上がり、市民をもっと守る必要がある」と続けた。