ダークチョコから有害な重金属を検出 米で新たな研究

AI要約

カカオを原料とする食品に、重金属の鉛とカドミウムが多く含まれているとする研究結果が発表された。

オーガニックのダークチョコでも重金属の含有量が多かったという意外な結果も明らかになった。

特に子どもや妊婦、腎臓病などの患者は鉛とカドミウムによるリスクに注意が必要だと指摘されている。

ダークチョコから有害な重金属を検出 米で新たな研究

(CNN) ダークチョコレートなどカカオを原料とする食品に、重金属の鉛とカドミウムが多く含まれているとする新たな研究結果が発表された。

鉛やカドミウムは神経毒性があり、がんや慢性疾患との関連、生殖や発達への影響が指摘されるが、作物の栽培される土壌に天然に存在するため、食品への移行は避けられない。ただ一部の土壌には、重金属が入った肥料の使い過ぎや産業汚染が原因で、より多く含まれている。

新たな研究では、オーガニックのダークチョコは農薬などによる汚染の少ない土壌で栽培されているにもかかわらず、含有量が多いという結果が出た。

健康、栄養関連商品のテストを手掛ける米NPO「コンシューマー・ラボ(CL)」が、カカオ分の多いダークチョコ72種類について、鉛とカドミウムの含有量を8年間にわたって測定。栄養学専門誌「フロンティア・イン・ニュートリション」の最新号に発表した。

CLは正確を期し、外部のさまざまな研究所にサンプルを送って測定を依頼。含有量の数字を、連邦当局よりも厳しいカリフォルニア州の基準と照合した。

その結果、商品の43%から基準を超える鉛、35%から基準を越えるカドミウムが、それぞれ検出された。具体的な商品名やメーカーは公表していない。軽金属のヒ素は検出されなかった。

専門家によれば、鉛は水、野菜、果物、身近な土壌やほこり、大気にも含まれている。健康な成人がダークチョコを毎日1オンス(約28グラム)食べたとしても、相対的なリスクは小さいと考えられる。

ただし、幼い子どもや妊婦、腎臓病などの患者は注意が必要だ。子どもが食事の中で鉛を摂取するとその50%、空腹だった場合は100%が吸収されるとの報告もある。

世界保健機関(WHO)は、鉛が子どもの脳の発達に影響し、知能指数(IQ)の低下や注意散漫、非社会的行動、教育効果の減退を招く恐れもあると指摘。子どもにとって、鉛の含有量に安全なラインはないとの立場を示している。