フランスの宙づり議会、政策立案複雑に 格下げ招く恐れも=S&P

AI要約

フランス総選挙後のハングパーラメントにより政策立案が複雑化する恐れがあり、債務拡大や経済成長低迷で格下げの可能性が警告されている。

左派連合が極右を抑え勢力最大となったが、過半数には届かずハングパーラメントとなる見通し。

S&Pは新政権の政策策動に苦悩し不信任投票のリスクが続く可能性を指摘、格付けの引き下げリスクを警告。

フランスの宙づり議会、政策立案複雑に 格下げ招く恐れも=S&P

[ロンドン 8日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは8日、フランスが総選挙を受け宙づり議会(ハング・パーラメント)となったことについて、政策立案が複雑化する恐れがあるとし、債務拡大もしくは経済成長が持続的に低迷すれば格下げを招く可能性があると警告した。

7日投開票されたフランス国民議会(下院、577議席)総選挙の決選投票は、事前の予想に反して左派連合が極右を抑えて最大勢力になる見通しとなった。ただ、過半数には届かず、ハングパーラメント(宙づり議会)に陥る公算となった。

S&Pは5月末、予想以上の財政赤字が債務を押し上げるとの見通しから、フランス国債の格付けを「AA」から「AA-」に引き下げた。

S&Pは仏選挙結果に関するメモで「新政権が有意な政策措置の実施に苦悩し、不信任投票のリスクが続く」と想定。「経済成長が長期的にわれわれの予想を大幅に下回れば、『AA-/A-1+』の格付けは圧迫されるだろう」としたほか、「巨額の財政赤字を削減できず、政府歳入に占める一般政府の利子支払いが現在の予想を超えて増加した場合」も格付けの引き下げにつながる可能性があるとした。

S&Pによるフランスの格付け見直しは11月29日まで行われないものの、状況が正当と判断されれば早期に実施される可能性もある。