中国「618セール」大敗北で「経済終了」が明確に…iPhoneが4万円引き、「酒バブル」も崩壊へ

AI要約

中国の電子商取引大手JD.com(京東商城)の「618セール」が終了し、前年を下回る売上高が報告された。

中国の個人消費の厳しい現状が浮き彫りになり、消費者心理の悪化が指摘されている。

今年のセールでは高価格帯の商品の値引きが増え、化粧品やスポーツウェアなどが好調だった。

中国「618セール」大敗北で「経済終了」が明確に…iPhoneが4万円引き、「酒バブル」も崩壊へ

 中国の“618セール”が終了した。618セールとは、電子商取引大手JDドット・コム(京東商城)の創設日が6月18日であることに由来する。

 このセールは、アリババ・グループが開催する11月の独身の日(1111)セールと並ぶ中国の大型ネット通販セールだ。中国の個人消費の状況かを確認するため、ネット商戦に注目する経済の専門家は多い。

 今年の618セールの売上高(流通取引総額とも呼ばれる)は、前年比7%減少の7428億元(1元=21円で約15.6兆円)と報道された。618セールが始まって以来で初めて、前年の実績を下回った。

 不動産バブル崩壊による住宅価格の下落、大手デベロッパーの経営悪化、土地譲渡益による地方政府の歳入減少など先行き懸念の高まりで、消費者心理は悪化は鮮明化しているようだ。

 習政権は国有、国営などの企業の生産を支援し、電気自動車(EV)などの供給を増やしている。中国政府が発表する経済指標も、若干ながら上向きだ。だが618セールの結果を見る限り、足許の中国経済の実態はかなり厳しいと考えられる。

 今年の618セールの結果は、中国経済の展開を予想するうえで重要だ。中国の個人消費は、思った以上に厳しい。

 2010年から、JDドット・コムは創業祭を開始した。2022年頃までの傾向として、スマートホンなどのITデバイスやデジタル家電やわが国の化粧品などの海外ブランドの人気が高まった。

 高価格帯の商品を割引価格で購入できることから618セールは人気を博し、昨年まで売上高は増加していた。コロナ禍の発生以降も海外ブランドは人気だった。感染症から身を守るために、健康関連の製品、検診などサービスの需要も伸びた。

 だが過去と比べると、今年の618セールの様相はかなり異なる。今年のセールは先行販売を行わず、商戦の期間を延長した。

 また、高価格帯のブランドの多くが値引きを行った。2割程度のブランドで値引き幅を拡大したといわれている。

 それによって、化粧品やスポーツウェアなどの売り上げは伸びたようだ。アップルもiPhoneを値引きして販売した。商戦に参加したアリババの“天猫(Tモール)”は iPhone15 Pro Maxを最大4万3千円値引きしたという。