保守強硬派と改革派の2人が競り合う イラン大統領選、開票始まる

AI要約

28日に投票されたイラン大統領選の開票が29日未明に始まった。保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長と改革派のペゼシュキアン元保健相が競り合っており、決選投票の可能性もある。

投票結果では、ジャリリ氏がペゼシュキアン氏を僅差でリードし、保守派のガリバフ国会議長は大きく差をつけられている。劇的な展開が期待される。

今回の選挙では、ライシ大統領の後継を選出し、対外政策や米中ロ関係が争点となっている。29日の開票を待ち、新大統領の展望が注目されている。

保守強硬派と改革派の2人が競り合う イラン大統領選、開票始まる

 28日に投票されたイラン大統領選の開票が29日未明に始まった。イラン政府系タスニム通信が内務省の発表として伝えたところによると、保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)と改革派のペゼシュキアン元保健相(69)の2人が競り合っている。当選に必要な過半数を得る候補がいなければ、上位2候補による決選投票が7月5日に行われる。

 同通信によると、午前5時(日本時間午前10時半)時点の得票数は、ジャリリ氏が350万票、ペゼシュキアン氏が338万票、保守派のガリバフ国会議長(62)が111万票となっている。

 5月のヘリ墜落で死亡したライシ大統領の後継を選ぶ。選挙戦では、2021年8月の発足以降、ライシ政権の反米保守強硬路線や、中国・ロシアとの協力を重視する外交姿勢への是非が争点となった。

 28日の投票は当初、午後6時までの予定だったが、29日午前0時まで延長された。投票率を上げるための措置とみられる。前回21年の大統領選では、ライシ師のライバルになりえた有力候補がハメネイ最高指導者の影響下にある機関の事前審査で失格となり、投票率は過去最低の48・8%に落ち込んでいた。(テヘラン=真野啓太、佐藤達弥)