NATO次期事務総長にオランダのルッテ首相確実に

AI要約

オランダのルッテ首相がNATOの次期事務総長として就任する見通しとなった。ルーマニアが唯一の候補を撤回し、ルッテ氏支持に回った。

ルッテ氏はウクライナの防衛を支援し、同盟国の安全保障の強化に取り組むことになる。NATOはウクライナ情勢を懸念しながら、軍事費増加などの課題に直面している。

欧州政治が不安定化する中、ルッテ氏は適任と考えられており、32カ国の加盟国をまとめる役割を担うことになる。

NATO次期事務総長にオランダのルッテ首相確実に

(CNN) 政界引退を表明しているオランダのルッテ首相が、北大西洋条約機構(NATO)の次期事務総長に就任する見通しとなった。ルッテ氏以外の唯一の候補者を擁立していたルーマニアが20日、擁立を撤回しルッテ氏支持に回った。

複数のNATO当局者はCNNに、名乗りを上げていたルーマニアのヨハニス大統領が立候補を取り下げる意向を同盟国に示したと明らかにした。ルッテ氏を充てる人事を近く正式決定するとみられる。

現事務総長のストルテンベルグ氏の任期は10月1日まで。

ルッテ氏は、NATOがロシアと戦うウクライナの防衛を支援しつつ、同盟国の安全保障の強化に奔走している中でかじ取り役を担うことになる。NATOは、ロシアを刺激して、欧州で起こったものとしてはここ数十年で最も死者数が多いウクライナでの戦争をエスカレートさせる事態を回避しながら、軍備を進め、軍事費を増やすという危ない橋を渡っている。

ルッテ氏は開戦時からウクライナを支持してきたが、首相在任中の国防費はNATO加盟国に求められている対国内総生産(GDP)比2%を下回りがちだったとの批判がある。

また、ロシアがウクライナ南部クリミアに侵攻した2014年に、ロシア南部ソチで開催された冬季オリンピック(五輪)に出席したとの指摘もある。

だが欧州の政治は向こう5年間、不安定になる可能性が高く、米国ではトランプ前大統領が返り咲く可能性もあることから、穏健なリベラル派のルッテ氏は困難な時期に加盟国32カ国を取りまとめるのに適任と考えられている。