香港警察が日本人男性を一時連行 天安門事件35年の4日夜に読経か

AI要約

香港のビクトリア公園で日本人男性が地元警察に一時連行される事件が発生。男性は太鼓をたたきながら読経し、「飯村行雄」と名乗った。

香港では厳しい国家安全法が施行され、中国や香港政府に批判的な言論が取り締まられている。警察は男性を「社会の安寧を乱した疑い」で連行した可能性がある。

毎年6月4日に行われていた天安門事件の追悼集会を受け、厳戒態勢の中で男性が逮捕される状況に。日本総領事館も注意を呼びかけていた。

香港警察が日本人男性を一時連行 天安門事件35年の4日夜に読経か

 天安門事件から35年となった4日夜、香港のビクトリア公園で日本人男性が地元警察に一時連行された。警察は朝日新聞の取材に、同日夜に1人の日本人を連行し、その後釈放したと明らかにした。

 香港メディアが報じた映像などによると、男性は公園内で太鼓をたたきながら読経した。男性は「飯村行雄」と名乗ったという。

 香港では2020年に香港国家安全維持法(国安法)が、今年3月には同法を補完する形で国家安全維持条例がそれぞれ施行され、中国や香港政府に批判的な言論は厳しく取り締まられている。

 同公園では2019年まで毎年6月4日に大規模な追悼集会が開かれており、同日夜は多くの警官が出て厳戒態勢となっていた。当局は「社会の安寧を乱した疑い」で日本人男性を連行したとしており、男性の行為を天安門事件の追悼だとみなした可能性がある。

 香港の日本総領事館はこの日に向け、「不測の事態が発生する可能性は排除できない」として、外出先の安全に注意するよう呼びかけていた。(香港=畑宗太郎)