天安門事件35年 香港で厳しい警戒 追悼集会封じ込め 書店では警察がID確認

AI要約

天安門事件から35年、香港では過去の追悼集会が厳しく取り締まられており、警察の警戒態勢が高まっている。

「国家安全維持法」「国家安全維持条例」により反政府的な活動が厳しく規制され、書店でも関連書籍の販売を取り締まる警察の存在が目立つ。

公共の場での活動についても法律を守らなければならないという香港政府の姿勢が強調されている。

天安門事件35年 香港で厳しい警戒 追悼集会封じ込め 書店では警察がID確認

中国で民主化を求める学生らを軍が弾圧し、多くの命が失われた「天安門事件」からきょうで35年。中国本土だけではなく、香港でも事件がタブー視され、厳しい警戒態勢が敷かれています。

2020年まで、犠牲者を追悼する集会が行われていた香港。

記者

「香港は通勤や通学の時間帯ですが、すでに警察官が警備に当たっています」

「国家安全維持法」に加え、今年3月に施行された「国家安全維持条例」により反政府的な言動への取り締まりを強化し、先月から今月にかけ、事件に関連した書き込みを行ったなどとして男女8人が逮捕されています。

事件のあった6月4日を示す、「5月35日」の幕を掲げたこちらの書店では「天安門事件」に関する書籍も扱っています。

おととい、警察は1時間にわたり、店を出入りする客らのIDを確認していたということです。

書店の店長

「警察に『何か心配なの?』と聞くと『答える必要はない』と言われました」

なぜ警察が来たかについては。

書店の店長

「保安局長(安全部門のトップ)は以前会見で、“敏感な日付(6月4日)”は重要なことではない、と発言していましたが…どう捉えるかは、みなさんで考えてみてください」

かつて追悼集会が行われていた公園では、親中派団体が主催する中国の物産展があすまで行われ、集会の開催は封じ込められた形です。

会場内では客や出展者へのインタビューは許可されず、数人の係員がずっと取材班に同行しました。

香港政府トップの李家超行政長官はきょう会見で、今晩公園で蝋燭に火を灯せば警察は取り締まるのか問われ、「公共の場での活動は、法律を遵守しなければならない」と述べています。