インド与党連合、過半数確保も議席大幅減 モディ氏求心力に影響も 総選挙開票

AI要約

インドで下院総選挙の開票が行われ、与党連合が過半数の議席を獲得する見通し。モディ首相が3期目に入る見込みもあるが、求心力低下の懸念も。

与党連合は得票が伸び悩み、特に北部ウッタルプラデシュ州で苦戦。有権者の不満が反映されたとみられる。

野党陣営は貧富の格差拡大などを主張し、弱者への支援拡充をアピール。選挙は4月19日から7回に分けて行われた。

【ニューデリー=森浩】インドで4日、下院(定数545)総選挙の開票が行われ、モディ首相(73)のインド人民党(BJP)を軸とする与党連合が過半数の議席を獲得する見通しとなった。地元メディアが伝えた。モディ氏は初代首相ネール以来となる連続3期目に入る見込み。だが、BJP単独で過半数は確保できない見通し。与党連合は議席数を大幅に減らすもようで、モディ氏の求心力低下につながる恐れがある。

複数の地元メディアによると、与党連合は全国的に得票が伸び悩み、特に人口が最多の北部ウッタルプラデシュ州で苦戦した。前回2019年選挙では、BJP単独で303議席、与党連合で350議席以上を獲得したが、届かないとみられている。経済成長の恩恵が行きわたっていないという有権者の不満が反映されたとみられる。

BJPは選挙戦で、夏季五輪招致や高速鉄道網の拡大などの公約を発表した上で、人気の高いモディ氏を前面に押し出す戦略を取った。モディ氏は200回以上演説を行って、2期10年に及ぶ政権の実績をアピール。国民の約8割を占めるヒンズー教徒の支持固めに注力した。

野党陣営は、最大野党の国民会議派を軸に野党連合を形成した。強権的なモディ政権によって社会が分断され、貧富の格差が拡大したと主張。下層カースト(身分)の地位向上など弱者への支援拡充をアピールした。

今回の選挙は4月19日に投票が始まり、地域別に7回に分けて行われた。下院545議席のうち543議席が争われ、残る2議席は大統領が選出する。