青学大3季連続15度目V 逆転弾の佐々木泰主将「みんなが打たせてくれた1本」声援に感謝

AI要約

青学大が3季連続15度目の優勝を飾った。佐々木泰主将が逆転の3ランを放ち、試合を決めた。

佐々木は苦しいシーズンを乗り越え、チームメートの活躍に感謝し、優勝に導いた。

昨年3冠を達成した青学大は4冠に向け、挑戦を続ける。

青学大3季連続15度目V 逆転弾の佐々木泰主将「みんなが打たせてくれた1本」声援に感謝

東都大学野球◇第4週第3日◇29日◇神宮

 青学大が3季連続15度目の優勝を飾った。首位の中大に勝利し、2勝1敗、勝ち点4で並び、勝率で上回った。1点ビハインドの4回2死一、三塁から佐々木泰主将(3年=県岐阜商)が通算12本目となる逆転の左越え3ランを放ち、試合を決めた。青学大の3連覇は05年春~06年春以来。6月10日開幕の第73回大学日本選手権大会(10~16日、神宮球場、東京ドーム)に2連覇をかけて出場する。中大は2位が確定した。

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 待ち臨んだ優勝が決まった瞬間、佐々木はマウンドに猛ダッシュ。チームメートが歓喜の輪を作った。「ホッとした気持ちと、うれしい気持ちでいっぱい」。主将が意地の1発で決めた。

 苦しいシーズンだった。開幕から調子が上がらず打率1割7分8厘。打てない自分が情けない。「同級生の活躍を見るともどかしい気持ちでした」。毎晩、無心でバットを振り、試合では先頭に立ち声を出した。その懸命な姿に、チームメートの心が動いた。佐々木の打席は全員が身を乗り出し声援。逆転弾に佐々木は「みんなが打たせてくれた1本」と感謝。そして「なんかごめん、みんなお待たせ!」とつぶやいた。

 4年になった佐々木は強かった。4本塁打を打ち衝撃デビューを飾った1年春から3年。「2年秋は、めっちゃ泣いちゃったっすね」。4番に座りながら1割9分4厘。試合が終わるたび、室内練習場へ向かう。寮までの約500メートルほどの道を、泣きながら歩いた。「なんで4番なんや…」。チームのために打つ難しさを実感。今は「これだけ振ってきた」と自信を胸に打席に立ち、優勝に導いた。

 昨年は春、秋のリーグ戦と、全日本大学野球選手権を制し3冠。「昨年達成できなかった4冠に向け、スタートラインに立てた」。今年も挑む4冠の道へ、かじを切った。【保坂淑子】

 ▽ソフトバンク小久保裕紀監督(青学大OB。巨人戦前に球場で観戦)「優勝おめでとうございます。やはり母校が強いとうれしいですね。(3ランの)佐々木くんは少し調子を落としていると聞いていましたが、あの場面で打つとは。すごいなと思って見ていました」

 ▽ヤクルト橿渕スカウトグループデスク(青学大の佐々木泰について)「軸がぶれずにしっかり捉え、飛距離が出ている。こういう場面で打てるのはやってきたこと、責任感の強さから。野球人、人としてもハートの強さを感じる」