東農大北海道7季連続リーグV王手 先発渡辺恵多7回0封「ここでは負けられなかった」

AI要約

東農大北海道が旭川市立大を8回コールドの12-0で破り、リーグ優勝に向けて王手をかけた。

渡辺恵多投手が7回3安打無失点の好投を見せ、打線も9点を奪い試合を決めた。

優勝決定戦へ向けて選手たちはそれぞれの思いを胸に準備を進めている。

東農大北海道7季連続リーグV王手 先発渡辺恵多7回0封「ここでは負けられなかった」

<北海道6大学野球 春季リーグ戦:東農大北海道12-0旭川市立大>◇第5節◇最終日◇26日◇苫小牧・とましんスタジアム

 東農大北海道が12-0の8回コールドで旭川市立大を下し、7季連続37度目のリーグ優勝に王手をかけた。

 先発した最速145キロ右腕の渡辺恵多投手(3年)が7回3安打無失点と好投。打線は8回に7安打で9点を奪い、試合を決めた。11季ぶり8度目のリーグ制覇を狙う函館大も7-4で北洋大に逆転勝ち。東農大北海道と函館大が9勝1敗で並んだため、27日午前9時から、苫小牧・とましんスタジアムで優勝決定戦が行われる。

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 渡辺が期待通りの投球を見せた。前日まで8勝1敗で並んでいた函館大が第1試合で勝利。絶対に負けられなくなったゲームで、5回までは1人の走者も出さない完全投球。大学入学後の最長イニングとなった7回は、1死満塁の場面を背負ったが、この日最速144キロ直球などを駆使して無失点で切り抜けた。

 昨年の全国大会で味わった屈辱は、同じ舞台でしか晴らせない。夏の全日本大学選手権、秋の明治神宮大会はともに1-8の大敗。渡辺は全日本選手権での投球はわずか2球。「今年は先発で勝ちたい。ここでは負けられなかった」。再び全国の舞台に戻るため、勝負を優勝決定戦に持ち込んだ右腕は力強く言った。

 仲間も“優勝”へ向け、それぞれの思いを胸に臨んでいた。8回に試合を決める2ランを左翼席にたたき込んだ中沢空芽遊撃手(3年)は「ずっと試合に出してもらっているのに、(三垣勝巳)監督の期待に応えられるような打撃はできていない。今年は取り返したい」。冬場からの筋力トレでベンチプレスは20キロアップの100キロになり、貴重な一打へとつなげた。

 3安打でチームに勢いをつけた工藤ジョエル右翼手(4年)は、夏に消防士試験を受験するため今季でバットを置く。27日の優勝決定戦で敗退した場合は、その時点で選手生活にピリオドが打たれる。50メートルを5秒8で走る快足1番打者は「優勝決定戦は必ず勝って、最後は全国大会で終わります」。試合終了から約10分後、それぞれが翌日の大一番に気持ちを向けていた。【中島洋尚】