阪神・佐藤輝 「もう完璧な一発」自画自賛の特大15号決勝ソロで首位巨人に2差再接近

AI要約

阪神はDeNA戦を延長10回の末に6-5で制し、輝明の特大15号ソロで勝利を収めた。

輝明の13度目の決勝打で12連勝を果たし、巨人に再び2ゲーム差に接近した。

チームは逆転優勝へ向け、宿敵との甲子園決戦に臨む決意を見せた。

阪神・佐藤輝 「もう完璧な一発」自画自賛の特大15号決勝ソロで首位巨人に2差再接近

 ◇セ・リーグ 阪神6ー5DeNA(2024年9月21日 横浜)

 阪神は21日、延長10回の末、DeNA戦(横浜)を6―5で制した。同点の10回1死、5番・佐藤輝明内野手(25)が、相手7番手のウェンデルケンから特大の15号決勝ソロを放って激闘に終止符を打った。絶対に負けられない一戦で、チームトップとなる13度目の決勝打をマーク。和製大砲が打点を挙げた試合は12連勝となった。チームは首位・巨人まで2ゲーム差に再接近。奇跡の逆転優勝へ向け、きょう22日からは宿敵との甲子園決戦2連戦に臨む。輝のバットが火を噴けば、絶対に勝テルはずだ。

 試合前から、横浜スタジアムには左翼から右翼方向へ強い風が吹いていた。シーズンのおよそ半分の打席で、本拠地・甲子園特有の右翼から左翼方向へ吹く“浜風”と戦うことを運命づけられている佐藤輝。望外の追い風に、胸を高ぶらせて試合に臨んでいた。そして、5―5で迎えた延長10回1死無走者の5打席目。その照準を右翼スタンドに定め、打席へと向かった。

 「いい風も吹いていたので。ちょっと一発狙っていきました」

 カウント2―1からウェンデルケンの内角高め直球に、フルスイングを仕掛けた。

 「もう完璧な一発が出たと思います。(感触は)ありました」

 打った瞬間、確信した。珍しくその場に立ち止まって打球の行方を見守り、右翼席上段へ飛び込むと同時に、右手に持っていたバットを高々と天に突き上げた。そして、その余韻を味わうかのようにゆっくりとダイヤモンドを回り、虎党の歓声を一身に浴びた。特大の15号ソロで、総力戦に終止符を打った。

 予兆は…なかったようだ。4点リードの5回1死一、三塁の3打席目では痛恨の二ゴロ併殺に倒れており、岡田監督からは「なあ。(ヒットを打つ8回の4打席目までは)全然やったけどな。ゲッツーで流れ変わったと思ったよ」と試合がもつれた一要因に挙げられる始末。決勝弾も、お褒めの言葉にあずかることはなかった。

 とはいえ佐藤輝が打点を挙げれば勝つ――も事実。これで打点を挙げた試合は8月8日のヤクルト戦から1分けを挟み12連勝。そのバットは、試合のムードを一変させる魅力を秘める。負けられない大一番で、チームトップとなる13度目の決勝打。一戦必勝の戦いが続く中、これほど頼もしい存在はいない。

 首位・巨人が広島に敗れ、再び2ゲーム差に接近。この日の1勝で、最短25日に優勝マジック5が点灯する可能性も出てきた。そのためには、きょう22日からの甲子園決戦2連戦に連勝することが絶対条件となる。「本当に2つ勝ちに行けるように頑張ります」。そう言葉に力を込めて帰りのタクシーに乗り込んだ背番号8が打てば必勝。残り7試合。そのバットで猛虎に、球団初のリーグ連覇を後押しする追い風を吹かせる。(石崎 祥平)

 ≪巨人に連勝なら最短25日M5点灯も≫阪神はDeNAに勝ち、広島に敗れた首位・巨人とのゲーム差は2に縮まった。阪神がきょう22日から巨人に2連勝しても巨人のM6は消えないが、2連勝すれば25日にマジック点灯の可能性がある。条件は巨人が阪神2連戦と25日のDeNA戦まで3連敗し、DeNAが22日からのヤクルト2連戦で2連勝以外の場合、巨人のマジックが消え、試合のない阪神にM5が点灯する。