【阪神】逆転Vへ「完璧な1発」佐藤輝明15号決勝弾「誰一人諦めてない」さあ巨人と直接対決だ

AI要約

阪神佐藤輝明がDeNAとの激戦を決定打のソロ本塁打で逆転勝利

佐藤輝明の15号ソロ本塁打で、首位巨人とのゲーム差を2に縮める

巨人戦での直接対決に向けて、佐藤輝明とチームは勝利を目指す

【阪神】逆転Vへ「完璧な1発」佐藤輝明15号決勝弾「誰一人諦めてない」さあ巨人と直接対決だ

<DeNA5-6阪神>◇21日◇横浜

 逆転Vへの1発や! 阪神佐藤輝明内野手(25)がDeNAとの激戦に決着をつけた。同点で迎えた延長10回1死、右翼スタンド上段へ完璧な15号ソロ。一時は4点差を逆転される嫌な展開も、最後の最後、豪快に吹き飛ばした。首位巨人も敗れたため、マジックは6のまま減らず、ゲーム差は再び2に縮まった。今日22日からは、いよいよ甲子園で巨人との直接対決2連戦。本拠地で連勝を決め、一気にまくりたい。

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 バットを握ったまま、右手を大きく天に突き上げる。スタンドインを確信する姿に、虎党みんながバンザイした。試合を決めた。一振りで決めた。これが佐藤輝明だ。

 「完璧な1発が出たと思います」

 5-5の延長10回。ウェンデルケンの内角149キロ直球を仕留め、スタンドインを確信した。4試合ぶりのアーチは決勝の15号ソロ。「風も良い風吹いていたんでね、1発狙っていきました」。右翼席上段まで狙い通りの特大弾だ。「ちょっと内容忘れたんですけどホームランになって良かったです」。記憶も飛ぶほどの集中力。興奮を抑えるように言葉をつむいだ。

 1年前の甲子園。昨年9月14日にリーグ優勝を果たした。自身も20号アーチで貢献した1日は「人生で一番の大歓声を浴びた」という特別な時間だった。あれから1年。まだ、あのボルテージを超えるような歓声は聞けていない。

 「声のボリュームを測る機械とかで、どの試合が一番の歓声か分からないんですかね」

 笑いながら“歴代最高”の大歓声を気にすることもあった。この日は横浜スタジアムの熱気を味方にし、最後の最後に主役を奪った。

 4点差をひっくり返されるも粘った。9月は1度も連敗なし。主砲の強烈な一撃で踏みとどまった。首位巨人は敗れたため優勝マジックは6のまま。ゲーム差は再び2に縮まった。「なんとか粘って取った1勝。本当に大きい勝ちだと思います。誰1人諦めていない」と真っすぐに宣言した。

 22日からはいよいよ巨人と最後の直接対決2連戦。2連勝ならゲーム差がなくなる。流れが確実に変わる。岡田監督は「そんなもん、勝てるか言うても、向こうも勝つ気なんやから、両方(のチームが)勝たれへんねんから。まあ、どっちか勝敗つくけど、見とったらええやん、勝敗つくんやし」。“見とけ”と言わんばかりに言った。

 背番号8は何度もうなずきながらタクシーに乗り込んだ。運命の「伝統の一戦」。間違いなく面白い。甲子園で、聞いたことのないような大歓声が待っている。【中野椋】

 ▼阪神佐藤輝が延長10回に決勝のソロ本塁打。今季は6本目の決勝弾で、チームでは森下の5本を上回って最多。また、4月5日ヤクルト戦(神宮)での延長10回決勝ソロ本塁打に次いで自身今季2度目の延長決勝弾。球団でシーズン2度記録したのは17年福留孝介の2度以来、7年ぶり。

 ▼阪神の自力優勝復活は最短で25日。22、23日の巨人戦に2連勝しても自力優勝は復活せず、巨人のマジック消滅もない。また、巨人戦に2連勝するとゲーム差では並ぶが、巨人は勝率・5538で阪神は勝率・5530となり首位浮上はない。