ド軍指揮官 7回2得点生んだ大谷翔平の全力疾走絶賛「あれは大きなプレー。彼がハードに走らなかったら」

AI要約

大谷翔平投手が50本塁打&50盗塁達成から一夜明け、ロッキーズ戦で3本塁打を含む3安打を放ち活躍。

1試合3安打を2試合連続で達成し、メジャー史上初の14度目の本塁打と盗塁の同一試合マークを達成。

ロバーツ監督は大谷の集中力とバットスピードを絶賛し、大谷の全力疾走を称えた。

 ◇ナ・リーグ ドジャース6-4ロッキーズ(2024年9月20日 ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、本拠でのロッキーズ戦に「1番・DH」で先発出場。大リーグ史上初の50本塁打&50盗塁達成から一夜明け、第3打席で一時逆転となる52号2ランを放つと第2、4打席でも安打を放ち、2試合連続で1試合3安打の大暴れを見せた。大谷は1盗塁も決めており、シーズンで本塁打と盗塁を同一試合でマークするのは14度目となり、1986年のリッキー・ヘンダーソンの13度を抜いてメジャー史上初の快挙となった。2位のパドレスがサヨナラ勝利を収めたため、地区優勝マジックは1つ減った5とした。

 大谷が第1打席に入ると、サプライズが待っていた。ドジャースナインがベンチ前に出て大谷に拍手を送ると、観衆もスタンディングオベーションで前夜の快挙を祝福。大谷もヘルメットを取って歓声に応えた。打席では大きな「MVP」コールが送られたが、第1打席は左腕フリーランドの前に空振り三振に終わった。

 大谷が第2打席でファンの声援にバットで応えた。第2打席は3回2死走者から中前打。フルカウントと追い込まれたが、左腕フリーランドの低めのスライダーを中前に運んだ。

 1―2の5回2死二塁で迎えた第3打席。フルカウントから見送ればボール球の胸元の速球をかち上げると、110.1マイル(約177.1キロ)で飛び出した打球は中堅左への423フィート(約128.9メートル)地点で着弾。大谷らしい豪快弾に本拠ファンは大興奮で歓喜の声を上げ、ベッツは次打者席で驚きの表情を浮かべるほどの当たりだった。その後、ベンチでもT・ヘルナンデスが大谷の高めをかち上げた打撃フォームの真似を繰り返すなど、怪力自慢の同僚にとっても衝撃の一発となった。

 大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者によると、大谷が打ったボールの高さは3.86フィート(約1.17メートル)。ラングス記者は、自身のXで「これは大谷翔平がキャリアでホームランを打った球の中で2番目に高い球である。彼は2021年5月17日に4.19フィート(約1.27メートル)の球でホームランを打った」とデータを紹介した。

 4―3で迎えた7回の1死一塁の打席。4球目に一塁走者のエドマンが二盗を決めると、大谷はチェンジアップに泳がされながらも一塁線へはじき返すと、俊足を飛ばして内野安打を勝ち取った。さらに一、三塁とすると、次打者ベッツの初球に二盗に成功。今季52盗塁を決め、「52―52」を達成した。これでこの日を含めて残り9試合で「54―54」ペースとした。

 試合後、デーブ・ロバーツ監督は大谷の連夜の活躍について「彼は明らかに素晴らしい。集中力が高まった。ここ数試合、彼は集中して、自分のゾーンより上のボールを、フィールドの広い範囲に打ち返せようにしていると思う。これは本当に素晴らしいこと。先週のホームランを見れば、それらは打ち返されている。だから、それをカバーできたのは、本当に、本当に素晴らしいこと」と称えた。

 3.86フィート(約1.17メートル)の高さの球を中越えに運んだ一発については「ストライクゾーンより上だった。それは分かっている。どれくらい高いかは分からないが、胸の辺り。おそらくボールだっただろう。(なぜ打てるかは)バットスピード、その球に追いつく能力だ。今夜はあのコースの球はあまり見なかった。沈む多変化球が多かったと思う。フリーランドもかなり驚いただろう」と振り返った。

 一方で俊足を飛ばして勝ち取った一塁内野安打については「心配していなかった。彼の足の速さが今年はチャンスをつくっている。あれは大きなプレーで、大きなヒットだった。彼がハードにプレーしていることを示している。彼は盗塁し、ハードに走る。彼がハードに走らなかったら、2死三塁になっただろう」と評価。大谷がセーフとなって1死一、三塁と好機を広げ、その後ベッツの犠飛、T・ヘルナンデスの適時打が生まれただけに、指揮官は得点につなげた大谷の全力疾走を称えていた。