大谷翔平と井上尚弥に通ずる“記録無視”の姿勢 今、最強のアスリート2人から聞いた同じ言葉

AI要約

大谷翔平投手が歴史的な快挙を達成し、51本塁打&51盗塁を記録。

勝利への集中とチームへの貢献を重視し、記録を無視する姿勢を貫いた。

大谷は個人記録よりもチームの成功にフォーカスし、謙虚な姿勢を示した。

大谷翔平と井上尚弥に通ずる“記録無視”の姿勢 今、最強のアスリート2人から聞いた同じ言葉

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)、敵地マーリンズ戦に「1番・DH」で出場し、3打席連発と2盗塁で自身の最多記録を一気に「51本塁打&51盗塁」にまで伸ばした。6打数6安打、3本塁打10打点の大爆発。会見では、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と同じ言葉を聞いた。常に記録が付きまとう歴史的アスリートに通づるのは“記録を無視”する姿勢だった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 ただ、勝利のために。これだけを追い求めた結果、偉業がついてきた。

 目の前の1プレーに全力を注いだ。大谷は初回に二塁打から三盗を決め、今季50個目の盗塁成功。犠飛で先制のホームを踏んだ。2回は右前適時打から二盗で51個目。常に次の塁を狙う姿勢は崩さない。世界を震撼させたのは6、7、9回の3打席連続アーチ。「48-49」から一夜で「51-51」に到達だ。球団記録の10打点で20-4の圧勝に導き、自身初のプレーオフ進出をド派手に決めてみせた。

 快挙直後の会見は喜びを口にしつつ、言葉は淡々としていた。

「ホームランは狙ったら出ないものですし、自分のいい打席を積み重ねていくのが近道。勝ちに繋がる打席を1打席でも積み重ねるのが大事だと思う。(敵地のスタンディングオベーションは)嬉しかったけど、自分の打撃を崩さず最後までやりたいと思っていた。打席に入る時は前の打席を忘れて集中したのが結果的によかった」

 自分の仕事にとにかくフォーカス。自身の大記録より、チームのプレーオフ進出の方が胸が高鳴るもののようだった。日米50人ほどの報道陣から矢継ぎ早に質問を受けたスーパースター。だが、本人に周囲の喧騒は関係なかった。

 48号を放った17日(同18日)の試合後も、記録への重圧について「あまりないですね。良い打席を1打席でも重ねたいので、それはシーズンが始まってから今まで変わらないです」とサラリ。アジア人最多のMLB通算219号にも「それはいいこと」としながら、今は意に介さない。こんな言葉で迷わず表現していた。

「まだまだキャリアの途中ですし、あまり今の数字がどうのこうのというのは気にしなくていいのかなと。終わった時に『どのくらいやれたな』って自分で確認できればいいのかなと思います」