東洋大出身の羽出山が有言実行の幕下優勝「早く関取に上がりたい」同学年ライバルたちの活躍が刺激に

AI要約

東幕下16枚目の羽出山(24=玉ノ井部屋)が幕下優勝を果たす。

羽出山は高校や大学での実績を持ち、今場所では7戦全勝で優勝。

羽出山は来場所も関取昇進を目指し意気込みを語る。

東洋大出身の羽出山が有言実行の幕下優勝「早く関取に上がりたい」同学年ライバルたちの活躍が刺激に

 ◇大相撲秋場所13日目(2024年9月20日 両国国技館)

 東幕下16枚目の羽出山(24=玉ノ井部屋)が西55枚目の朝興貴(33=高砂部屋)との全勝対決を制し、7戦全勝で幕下優勝を決めた。

 立ち合いもろ手突きから左へ回り込んではたき、相手がバランスを崩したところを押し出し。1メートル93の長身と懐の深さを生かした相撲内容で「自分を信じてやるだけだった。体が動いたのでよかった」と振り返った。自身初の各段優勝。「緊張しないだろうと自分に言い聞かせていたけど、やっぱり自分の体には嘘をつけないというか、前日から心臓バクバクしてた。ホッとした」と安どの表情を見せた。

 今場所は序盤から絶好調。3番相撲で元学生横綱の草野(23=伊勢ケ浜部屋)を圧倒した取組後には「今場所は優勝するつもり」と話しており、この日の朝稽古後には「師匠(玉ノ井親方=元大関・栃東)に“頑張ります”ではなく“優勝します”と言ってきた」という。見事に有言実行を果たした。

 東京・足立新田高時代に全国高校相撲金沢大会で個人優勝、東洋大では全日本選手権8強などの実績を残し、三段目付け出しで22年春場所初土俵。スピード出世も期待されたが、同学年の同じ大卒組では前相撲から入った尊富士や白熊、風賢央らに関取昇進で先を越された。高卒組でも大関・豊昇龍を筆頭にかつてのライバルたちが多数幕内で活躍。「高校や大学で何回も対戦した人ばかりなので、同級生が幕内や三役で戦っているのを見ると、自分はまだ…と思う時もある」と悔しい思いをしてきた。

 来場所は自己最高位の幕下筆頭あたりまで番付を上げることが確実。「早く関取に上がりたい。まだまだ叶えなきゃいけない夢もあるので、来場所が大事になってくる」。来場所で新十両昇進を決めることを誓った。

 羽出山と同部屋で足立新田高の同級生でもある東俊隆(25=玉ノ井部屋)はこの日、北大地(26=立浪部屋)を寄り切って4勝目。自己最高位の東幕下13枚目で勝ち越しを決めた。「羽出山の相撲を見て気合入りました。小さい頃から一緒にやってきて、(羽出山の優勝は)一番うれしいけど悔しい気持ちもあります」。親友の活躍を刺激に、こちらも関取昇進へ向け気持ちを高めていた。

 ◇羽出山 将(はつやま・しょう)1999年(平11)11月5日生まれ、東京都東村山市出身の24歳。立川練成館で小6から相撲を始め、東村山四中3年時に関東大会準優勝。東京・足立新田高2年時に全国高校総体3位。3年時に全国高校金沢大会優勝。東洋大2年時に全国学生選手権8強、全日本選手権8強。3年時に全日本選手権8強。4年時に東日本学生選手権3位。玉ノ井部屋に入門し、三段目最下位格付け出しで22年春場所初土俵。身長1メートル93、体重141キロ。