【セルジオ越後】弱い2カ国には機能した攻撃的3バック 10月の強敵2連戦で通用するか試して

AI要約

日本代表がW杯最終予選で2連勝し、順調なスタートを切った。

相手が引いて守る試合展開に苦しむも、得点を重ねて勝利を収めた日本。

10月の強豪相手との試合では、3バックの有効性が問われる可能性がある。

<ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選:バーレーン0-5日本>◇10日(日本時間11日)◇C組◇第2戦◇リファー

 お祭りの2試合が終わったね。2戦12得点、無失点か。過去の2大会とは違って順調なスタートを切ったね。でも喜びに浸るのは、今日までにしてね。

 日本は前半、思うような展開に持ち込めなかった。相手が元気で、プレスがきつく、球際も厳しかった。中国戦も含め、相手が元気なうちは、なかなか点が取れない。2試合12得点が、相手が元気な時間帯で取れたのなら褒めるけどね。確か、その12点は全てペナルティーエリア内からじゃないかな。それくらい相手が引いていたわけだ。

 アジアの出場枠が8・5になって、上位2チームが自動的に出場権を得る今回の最終予選。ふたを開ける前から、日本、オーストラリア、サウジアラビアがこの2席を争うと、誰もが思っていた。実際、中国とバーレーンはプレーオフ進出権がある3、4位狙い。だから日本戦は前半から全員で引いて守ってきた。12得点と言っても、C組3弱のうちの2チームに勝っただけだからね。

 日本は2試合とも3バックで無難にスタートした。ラインを下げる相手に左MF三笘、右MF堂安、伊東がどんどん攻めていった。「攻撃的な3バック」と騒がれているけれど、相手が攻める気がないのだから、攻撃的になるのは当たり前だ。世界と戦う時もこのシステムが通用するとは考えにくいね。

 10月の2試合(10日サウジアラビア、15日オーストラリア)はどうかな? 相手も攻めてくるだろう。3バックだと、両MFの守備の負担が増えて、今月の2戦のようなサイド攻撃はできないはずだよ。三笘や堂安、伊東らの持ち味が薄れるだろうね。あの3人は、攻撃力はあるけれど、守備は比較的、強くないからねえ。立ち位置も低くなるだろうし、上下の運動量も2倍くらい増えるからね。

 とりあえず、弱い相手には結果が出たわけだから10月の2試合で試してみればいいよ。そこで結果を残せないのなら、もう3バックをベースに戦うのはやめた方がいいかもね。まあ、でもね、最終予選でそれを試せるくらい余裕があるからいいよね。やはり8・5枚のパワーはありがたいね。(日刊スポーツ評論家)