勝因は中山急坂の“2段ロケット”クリスマスパレード人馬一体の勝利を振り返る/紫苑S

AI要約

5番人気クリスマスパレードがコースレコードを更新して重賞初制覇を果たす

石川裕紀人騎手はペース配分の成功を称賛し、愛馬の瞬発力を高く評価

クリスマスパレードは今後も期待が高まる成績を残している

<紫苑S>◇7日=中山◇G2◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走13頭◇3着までに秋華賞の優先出走権

 5番人気クリスマスパレード(加藤士)が石川裕紀人騎手(28=相沢)に導かれて2番手から抜け出し、1分56秒6のコースレコードで重賞初制覇を飾った。2着ミアネーロ(林)3着ボンドガール(手塚)までが秋華賞(G1、芝2000メートル、10月13日=京都)優先出走権を獲得した。

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 電光掲示板に1分56秒6と表示されると、場内からどよめきが起こった。開幕週の高速馬場で真っ先にゴール板を駆け抜けたのは、漆黒の馬体を躍らせたクリスマスパレード。今春の皐月賞でジャスティンミラノが記録した時計を0秒5も更新した。石川騎手は「レコードが出そうな馬場と分かっていたけれど、びっくり。瞬発力がそがれる馬場なので、速いペースの2番手につけられたのが勝因。ペースが遅かったら2着の馬にやられていたかも。内容は100点」とデビューから欠かさずコンビを組んできた愛馬を褒めた。

 道中は逃げたイゾラフェリーチェの1馬身後ろで、前半1000メートルのラップは58秒8。直線入り口でかわして先頭に立ち、後続に迫られると坂上でもうひと伸び。2段ロケットでラスト11秒0は、2ハロン目に次ぐ速さ。後半1000メートルを前半より速い57秒8でまとめ切った。

 これで5戦3勝。フローラS(4着)では序盤で力んでしまったが、テンションを上げないように調整した厩舎の工夫も実った。残暑の中山で展開された華やかなパレード。次走はオーナーサイドの意向を受けて正式に決まる。「この先は明るい未来が待っている」。新婚の鞍上は重賞9勝目で、結婚後の初制覇。期待は広がるばかりだ。【岡山俊明】

 ◆クリスマスパレード▽父 キタサンブラック▽母 ミスエリカ(ブレイム)▽牝3▽馬主 (株)G1レーシング▽調教師 加藤士津八(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦3勝(うち地方1戦0勝)▽総獲得賞金 7883万4000円▽馬名の由来 ツツジ科エリカ属の常緑低木の品種名。母名より連想