空前絶後の“ちょんまげ大関”誕生なるか 大の里が大関とりへ「5月のように楽しい15日間を」

AI要約

大関昇進目指し、15日間の挑戦が始まった大の里。初優勝の優勝額と再会し、今場所での挑戦を誓う。

9場所での大関昇進を目指し、今場所がラストチャンスとなる大の里。史上最速の大関昇進を目指して力強い意気込みを示す。

先場所の反省からスタートダッシュを意識し、硬さをなくし、楽しみながら15日間を過ごす決意を固める。

 前代未聞の“ちょんまげ大関”に挑む、15日間が始まる。大相撲秋場所の成績次第で、大関昇進の可能性がある関脇大の里(24=二所ノ関)が、初日を翌日に控えた7日、会場となる東京・両国国技館で行われた優勝額贈呈式に出席。夏場所で初優勝した際の、ちょんまげ姿の優勝額と初対面し、さらに優勝を重ねることを誓った。大関昇進目安までは12勝。優勝争いに加わり、史上最速、所要9場所での大関昇進を目指す。

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 今場所がラストチャンスかもしれない。出世の速さに髪の伸びが追いつかない大の里も、11月の九州場所でついに大銀杏(おおいちょう)を初披露する可能性がある。その前の今場所後に、所要9場所と史上最速で三役を卒業すれば、空前絶後の“ちょんまげ大関”が誕生する。昭和以降、幕下付け出しから最速の大関昇進は、豊山と雅山の所要12場所だったが、大幅に更新することになる。初日を翌日に控え「稽古は積んできた。一生懸命、15日間頑張りたい」と力を込めた。

 この日は、かねて「楽しみ」と話していた優勝額と初対面した。1場所早い春場所の尊富士に続き史上2例目となる、ちょんまげ姿の優勝額。「この経験を何回もできるように頑張りたい。明日(8日)、上に飾られたら気持ちも変わってくると思う」と、さらに優勝を重ねることを誓った。

 優勝した夏場所は小結で12勝、先場所は関脇で9勝した。大関昇進目安は三役で3場所33勝。今場所12勝で到達する。先場所も成績次第で大関昇進の可能性があったが、4日目で3敗と序盤につまずいた。その反省から、大関とりの意識について「全く何も気にしない。それで先場所は痛い目を見たので。優勝した5月場所のように楽しい15日間を過ごしたい」と話し、硬さはない。気持ちの高ぶりも「いや、まだ。まだ時間はある。ゆっくりして、明日、違う心構えでここに来る」と冷静。先場所とは一転、スタートダッシュの予感が漂った。【高田文太】