【F1イタリアGP】跳ね馬が19年以来のホームV 「ティフォシ」に歓喜もたらしたルクレール「モンツァは特別な場所。皆さんの後押しのおかげ」

AI要約

フェラーリのシャルル・ルクレール(26)が、チームのホームGPで今季2勝目を挙げた。

マクラーレンは2度目のダブル表彰台を獲得し、製造者部門で首位のレッドブルに肉薄した。

ルクレールは鮮やかなスタートと巧みな1ストップ戦略で勝利。ミディアムからハードにタイヤ交換し続けてゴールまで走り続けた。

【F1イタリアGP】跳ね馬が19年以来のホームV 「ティフォシ」に歓喜もたらしたルクレール「モンツァは特別な場所。皆さんの後押しのおかげ」

F1 第16戦 イタリアGP 決勝 1日

モンツァサーキット(5・793キロ×53周) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス

 フェラーリのシャルル・ルクレール(26)=モナコ=が、チームのホームGPで今季2勝目(通算7勝)を挙げた。鮮やかなスタートダッシュと巧みな1ストップ戦略が奏功。スタンドを埋めた熱狂的な跳ね馬ファン「ティフォシ」の大声援に応え、「モンツァは特別な場所。皆さんの後押しのおかげ」と喜びを分かち合った。好調が続くマクラーレンは優勝こそ逃したものの、今季2度目のダブル表彰台を獲得し、製造者部門で首位のレッドブルに8ポイント差まで肉薄した。

 トップをひた走るルクレールを後押しするように、フェラーリカラーの真っ赤に染まるスタンドから大声援が巻き起こる。じりじりと迫り来るマクラーレンのオスカー・ピアストリから逃げ切り、いの一番でチェッカーをくぐり抜けた。

 もうサーキットはお祭り騒ぎだ。2019年以来となるチームのホームGP制覇を果たしたルクレールは「信じられない気持ち。(ホーム)2勝目は大したことないと思っていたけど、違ったよ。最後の数周は19年と同じような感情になった。ずっとスタンドを見ながら走った。ありがとう」とまくしたてた。

 ホーム5年ぶりの勝利というだけでなく、戦いぶりも劇的だった。4番グリッドから好ダッシュを決め、1周目に2番手に浮上。超高速コースのモンツァに合わせたリアウイングなどの新たな空力部品が当たり、今やコース上で一番速いとされるマクラーレン2台に挟まれながらも互角に渡り合った。

 勝負を分けたのがピットストップ戦略だった。タイヤの摩耗に苦しんだライバル勢が2ストップを選ぶ中、跳ね馬2台は1ストップの賭けに出た。ルクレールは「挑戦しても失うものはないと思った。みんなが左フロントタイヤのグレイニング(性能劣化)に苦しんでいたけど、僕はグリップ(接地力)が戻ったんだ」と振り返る。

 15周でミディアムからハードにタイヤ交換を終え、一時的にグリップ低下に苦しんだものの、我慢して走り続けると性能が復活。そのままゴールまで駆け抜けられた。

 チームが全精力を傾けたホームGPを大団円で終え、「モンツァはうまくいったけど、これから先は分からない」と慎重姿勢。それでも、「バクー(第17戦アゼルバイジャンGP=15日決勝)のトラックは大好き。もしかしたら、また特別なことが起きるかも」と再びの大駆けを狙う。