フェラーリが聖地モンツァで躍動! ルクレールが好戦略で翻弄し“最速”マクラーレン勢下し大逆転優勝。角田裕毅はリタイア|F1イタリアGP決勝

AI要約

イタリアGPでルクレールが優勝し、ピアストリが2位、ノリスが3位となった。

マクラーレンチームが序盤で好調を見せるも、最終的にフェラーリ勢に逆転される展開となった。

RB勢はチーム母国戦で苦戦し、角田はリタイアとなった。

フェラーリが聖地モンツァで躍動! ルクレールが好戦略で翻弄し“最速”マクラーレン勢下し大逆転優勝。角田裕毅はリタイア|F1イタリアGP決勝

 9月1日(日)、F1第16戦イタリアGPの決勝レースが行なわれ、フェラーリのシャルル・ルクレールが優勝。RBの角田裕毅はリタイアに終わった。

 舞台は“スピードの殿堂”モンツァ・サーキット。今年もフェラーリの熱狂的なファンであるティフォシが大挙して詰めかけ、観客席を赤く染め上げた。

 シーズン後半戦に入り、4チームによる上位争いが白熱する中、予選ではマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリがフロントロウを独占。そこにメルセデス勢やフェラーリ勢が続き、ディフェンディングチャンピオンのレッドブル勢は4列目から決勝レースの時刻を迎えた。

 イタリアGPは週末を通して天気に恵まれ、レース前の気温は34度、路面温度は54度とかなり暑いというコンディションだった。なおトップ10では、レッドブル勢以外がミディアムをスタートタイヤに選択。53周の決勝レースに向けてグリッドに並んだ。

 ここ数戦、マクラーレンはスタートが課題のひとつとされてきた。しかしモンツァはターン1までの距離が長いものの、ノリスとピアストリがワンツーでオープニングコーナーを抜けた。

 ただピアストリの勢いは良く、1周目のロッジア・シケインでノリスを交わしトップに浮上。フェラーリのシャルル・ルクレールもこれに続いてノリスの前に出た。

 3番手ノリスの後ろにはもう台のフェラーリ、カルロス・サインツJr.が並び、メルセデス勢やレッドブル勢もそれに続いた。

 首位に立ったピアストリは1分24秒台で周回。2番手ルクレールも序盤こそピアストリに食らいついていたが、1分25秒台までペースを落とし、再び3番手ノリスの接近を許した。

 そのノリスは14周目終わりにピットイン。ルクレールはこれに反応して翌周ピットに飛び込んだが、アンダーカットを許した。

 首位ピアストリは16周目終わりにピットへ。他と同様、2セット目のタイヤとしてハードに履き替え、ノリスとルクレールの前でコースに合流した。なおサインツJr.はピアストリから3周遅れてタイヤを替えたこともあり、この3台から後れを取った。

 第1スティントでハードを履いていたレッドブル勢がピットへ入り、これで再びピアストリが首位に浮上。マクラーレンとしての脅威は3番手で食い下がるルクレールに絞られた。

 マクラーレンはピアストリとノリスにチーム内“交戦許可”を下し、2台は1分23秒台でファステストラップを出し合った。ただノリスは左フロントタイヤを酷使しすぎたか、一気にペースダウン。コースオフでルクレールの接近を許したこともあり、32周目終わりには2回目のピットインを行なった。ただ、ノリスはタイトルを争うレッドブルのマックス・フェルスタッペンのトラフィックに遭い、若干のタイムロスがあった。

 ピアストリも左フロントタイヤのデグラデーション(性能劣化)が厳しく、37周終わりでピットに入り、こちらも2セット目のハードに履き替えた。これでワンツーに浮上したフェラーリ勢はマクラーレン勢に反応することなく、1ストップ戦略狙いでステイアウトを選択した。

 序盤の盤石な態勢から一気に追う側へと変わったマクラーレン勢は、フェラーリ勢より約1秒近く速いペースで周回。尖兵ピアストリはまず、早急にサインツJr.を抜きたかったが、周回遅れのマシンがいたこともあり、オーバーテイクに2周を要した。

 その後ピアストリは11秒先の首位ルクレール撃墜を目指して猛追。しかしルクレールは1分23秒台でペースを維持し、ピアストリの追いつくスピードも徐々に低下していった。

 首位ルクレールはそのままファイナルラップを周り、ティフォシの大歓声を浴びる中、モナコGPに次ぐ今季2度目のトップチェッカー。表彰台ではイタリア国歌の大合唱に酔いしれた。

 最終的にピアストリは2.664秒ルクレールに届かず2位。ノリスが3位となった。レース序盤はマクラーレン勢が盤石な態勢を築いたと思われたが、フェラーリ勢に“してやられた”形となった。

 ただノリスは少なくともファステストラップを獲得。レッドブルは終始ペース面で上位勢に及ばず、フェルスタッペンが6位、セルジオ・ペレスが8位に終わったことで、フェルスタッペンとノリスのドライバーズタイトル争いが62点差、コンストラクターズタイトル争いが8点差に接近した。

 4位サインツJr.以下は、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルスタッペン、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ペレス、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)というトップ10だった。アルボンやマグヌッセンも1ストップ戦略でポイントを掴んだ。

 なお、今回がF1デビューレースとなったウイリアムズのフランコ・コラピントは12位フィニッシュとなった。

 一方でRB勢は踏んだり蹴ったりのチーム母国戦となった。角田はレース序盤に、ハースのニコ・ヒュルケンベルグから接触を受けてポジションダウン。接触によるマシンのダメージは大きく、チームはリタイアを選択した。

 またチームメイトのダニエル・リカルドは、他車をコース外へ押し出したとして5秒のタイムペナルティを受けた上、ピットで正しくペナルティを消化できなかったため10秒の追加ペナルティを受け、13位でレースを終えた。