竹田麗央が帰国即Vで今季5勝目 初のガッツポーズも飛び出した21歳の女王確率は『71.4%』

AI要約

竹田麗央がゴルフ5レディスで優勝し、感動のガッツポーズを披露した。

竹田は最終日、10アンダーで単独首位に立ち、勝利を確信した。

竹田は過去5勝目を挙げ、次なる目標に向かって自信を深めている。

竹田麗央が帰国即Vで今季5勝目 初のガッツポーズも飛び出した21歳の女王確率は『71.4%』

<ゴルフ5レディス 最終日◇1日◇ゴルフ5カントリーみずなみコース(岐阜県)◇6559ヤード・パー72>

1.5メートル先のカップにボールが入る前に竹田麗央は小さく、そして力強く右手を握りしめた。最終組の3組前で回り、迎えた最終18番パー4。ピン左奥からの難しい下りのフックラインを完璧に読み切り、通算10アンダーで単独首位に立った。千金のバーディに優勝を確信し、プロ3年目で初めて飛び出したガッツポーズ。喜怒哀楽をほとんど表に出さない21歳が帰国即Vに感情を“爆発”させた。

「ガッツポーズはファンの方に“一度はやってみて”と前からお願いされていました。ここしかないと思って、バーディが取れたらやろうと思っていた。もう少しカッコよくできたらよかったけど、あれ以上はちょっと…。手をあげたりとかは無理です」

今季最後のメジャー「AIG女子オープン」(全英)は無念の予選落ち。「気持ちを切り替えて、また頑張ろうと思った」と臨んだ帰国初戦でいきなり最高の結果を出した。36ホールの短期決戦となった最終日は首位から3打差以内に46人がひしめく混戦となったが、2打目をピン手前1.2メートルにつけるバーディで1番パー4を滑り出し、2メートルを沈めた3番パー4からは4連続バーディ。10番パー5は残り160ヤードの2打目を8番アイアンでピン右4メートルに乗せて、らくらくとスコアを伸ばした。

ティオフ前にサスペンデッドとなった前日はすぐに宿泊しているホテルに戻り、休養を最優先した。「賞金が下がるので3日間やりたかったけど、天気はしょうがないのでゆっくりしていました。クラブはまったく握っていません。いい休養になったのかなと思います」。リフレッシュも完了し、大混戦を抜け出す7バーディ・1ボギーの「66」。4月に地元の熊本で初優勝を果たしてからわずか5カ月足らずで5勝目を挙げた。

「今週、優勝できるなんて考えてもいなかったし、5勝もできるなんて初優勝のときは思ってもいなかった。でも、日に日に自信はついていると思います」

1988年のツアー制度施行後、年間5勝以上は竹田で22人目(29度目)だが、賞金(年間)女王になれなかったのは、これまで2022年の西郷真央、09年の諸見里しのぶ、有村智恵、04、05年の宮里藍ら7人(8度)だけ。メルセデス・ランキング1位を快走する竹田の女王確率は71.4%となった。叔母で1993、94年の賞金女王、平瀬真由美は年間4勝が最高。21歳152日での通算5勝目は平瀬の21歳145日にわずかに及ばなかったが、82試合目(アマ5試合含む)での達成は平瀬の85試合(同9試合)を超えた。

「自分はまだ女王になったことがないし、まだまだです。でも、いつかは追い越せるように頑張りたいです」。5日に開幕する次戦の「ソニー 日本女子プロ選手権」(沖縄、かねひで喜瀬カントリークラブ)で初のメジャー制覇に挑む。ツアー通算18勝の偉大な叔母も手にしていない女子プロ日本一のタイトル。「みんなが優勝したいと思っている大会。この優勝を自信にして、自分もしっかりついていきたい」。今季の女王最有力候補はいつもと変わらず控えめだが、その口調は優勝回数を増やすごとに確実に力強さを増している。

「日本女子プロ選手権」は2年前が川崎春花、昨年が神谷そらと竹田と同じ2003年度生まれのダイヤモンド世代が連勝中。ならば、今年は…。日本タイトルを獲得して6勝目を挙げれば、女王確率は89.3%に跳ね上がる。(文・臼杵孝志)