【虎になれ】失策絡みで先制、岡田阪神に流れは来ていたのに…佐藤輝明の失策から痛い逆転負け

AI要約

阪神は巨人に3-1で敗れ、前日の劇的展開に続く流れを逆転できなかった。試合前から雨が降り続き、先制点が必須となる展開だった。

先制点は相手の失策から生まれ、巨人の選手にとっても甲子園での試合は人工芝とは違う違和感がある。巨人がミスをし、阪神が先制に成功したが、その後逆転を許してしまう。

7回の局面で再び失策が響き、2点を失って試合が決まってしまう。指揮官の岡田彰布も試合の進行に不満を示し、残りのシーズンで奮起を促している。

【虎になれ】失策絡みで先制、岡田阪神に流れは来ていたのに…佐藤輝明の失策から痛い逆転負け

<阪神1-3巨人>◇1日◇甲子園

 この敗戦の何が痛いと言って、前日の劇的展開を受け、阪神に流れが来ている! と思う展開だったからだ。試合前から雨が降る気配は濃厚。そういうときは先取点が必須だ。そこで首尾よく先制に成功。しかも、そこにはもう1つの“要素”があった。

 先制点に相手の失策が絡んでいたことだ。1回、1死一塁から森下翔太の当たりは遊ゴロ。「併殺か」と思った瞬間、巨人の遊撃・門脇誠が打球をしっかり捕球できずにオールセーフ。これで1死一、二塁になった。その後、4番・大山悠輔に適時打は出たのだ。

 「阪神の失策数が多い、巨人のそれが少ないと言っても、本当はあまり比較にならないと思いますね。やっぱり人工芝かそうでないかの差は大きい。巨人の選手だって、甲子園やマツダスタジアムがホームなら、その数はまるで違ってくると思いますよ」

 先日、広島3連覇監督の緒方孝市(日刊スポーツ評論家)と話したときにこんなことを言っていた。実際に戦っている現場としては首脳陣も選手も言い訳に聞こえるということで、なかなかそうは言わないものだが、やはりグラウンドの違いは大きいのだろう。

 いかに甲子園に神業の阪神園芸が存在するといえど試合が進んでいけば、やはり人工芝とは違う微妙なものが出てくる。もちろん、過去にそんな話を聞いたのは緒方からだけではない。やはり、現場でやってきた人々の実感なのだろう。

 だからこそ細かい雨が降る中で、土のグラウンドで、巨人の守備陣が先にミスをし、先制できた。これは阪神に流れが来ている。そう思ったのだ。だが、それをはき出してしまったのは、これも失策からだった。

 同点になっていた7回無死一塁。吉川尚輝の三塁前バントを処理した佐藤輝明が一塁に悪送球してしまう。記録は内野安打と失策で無死一、三塁に。無失点で終えるのは難しい局面だ。はたして勝ち越された後、小林誠司の佐藤輝の前へのセーフティースクイズは犠打野選となり、2失点。これで試合が決まった。

 結局、7回を終えてのコールド負けに指揮官・岡田彰布は「しゃべる気にもならん。消化試合ちゃうんやから」。試合決行に不満を示したようにも聞こえるボヤき節だ。だが、こればかりは相手も同条件。本当にシーズンの残りを消化試合にしないためにも奮起してほしいのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)