スーパーGT第5戦鈴鹿は台風10号の影響は必至。難しい天候に対する判断と荒天時の規則

AI要約

8月31日~9月1日、三重県の鈴鹿サーキットでスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 350km RACE』が開催されるが、台風10号の影響が懸念されている。

現在の台風の進路や影響の不確定性により、レースの進行には不確定要素がある。

事前に中止や延期が判断されるケースとして、天候の変化や台風の進路などが注視されている。

スーパーGT第5戦鈴鹿は台風10号の影響は必至。難しい天候に対する判断と荒天時の規則

 8月31日~9月1日、三重県の鈴鹿サーキットでスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 350km RACE』が開催されるが、この週末は非常に強い勢力の台風10号が日本列島を通る予報が出ており、レースウイークへの影響がありそうだ。

 9月1日の決勝レースフィニッシュ後には花火も予定されるなど、夏の一戦となる第5戦は350kmで争われる予定で、シリーズ後半戦の幕開けとしても重要なレースとなる。ただ、そんなレースウイークに向けて気になるのが台風10号だ。現在のところ、日本列島を縦断する進路が予想されており、予選日となる8月31日には中国地方から四国地方、近畿地方に、決勝日の9月1日は近畿地方から東海地方にかかる予報円が天気予報で示されている。

 基本的に、そこまで雨量が多くない状況ならば走行スケジュールが行われるモータースポーツイベントの場合、天気予報の段階で事前に中止などの判断が下されるケースはかなり少ない。天気予報どおりにならず、当初予定されていた走行時間になって天候が好転するときもあり(最近の例で言えば、スーパーフォーミュラ第5戦もてぎではずっと雷雨の予報が出ており、予選後には洪水警報も出たが、当初予報が出ていた走行中は降らなかった)、まずは大会が行われる方向でスケジュールは進む。

 ただ逆に、走行スケジュールの時間になって当初の天気予報どおりになったり、予報よりも悪化したりするケースもある。その際は、天候の状況やコースコンディション、その後の予報などを見ながら、競技会審査委員会により赤旗提示やタイムスケジュールの変更などが行われ、場合によっては参戦チームの監督が集められ、中止や延期の判断が下される。

 なお、公式予選についてはスーパーGTではスポーティングレギュレーションのなかに「天候等の不可抗力の場合は、競技会審査委員会の決定によるものとする」という項目がいくつかの項に記されている。なおスポーティングレギュレーションには「公式予選が実施できない場合は公式練習のタイムでグリッドを決定する場合があり、その採択は競技会審査委員会の決定によるものとする」という項目もある(スポーティングレギュレーション第29条1.5))。いずれにしろ、競技会審査委員会の決定と監督ミーティングの結果で、その場で判断が下され、公式通知等で示されることになる。

 決勝レースの場合、スポーティングレギュレーション第7条3)のなかに下記の条文が記載されており、サーキットを問わずこれが適応される。

3)不可抗力によるレース中止、レース終了の取り扱い:

(1)先頭競技車両が2周回を完了する前にレースが中止された場合レースは成立せず、各決勝レースのシリーズ得点は与えられない。

(2)先頭競技車両が2周回を完了し、かつ走行距離が当初のレース距離、もしくは当初レース時間の75%未満でレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点の半分が与えられる。

(3)先頭競技車両が当初のレース距離、もしくは当初のレース時間の75%以上を完了した後にレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点はすべて与えられる。

 今回の第5戦の場合、難しいのは台風の進み方。速度がかなり遅く、影響が長い間続くおそれがある。ひょっとするとレースウイーク中は影響がまったくないかもしれないし、大いにあるかもしれず、天候のことだけに判断がつかない。8月27日にはスーパーGT公式、また鈴鹿サーキットがSNS上で「今の時点では何もお伝えすることはない」としているが、これが現段階で伝えられる最大限のことだろう。

 事前に中止や延期が判断されるケースとしては、台風の場合進路や影響が出る日付が確定的で、被害が出る恐れがある場合などが挙げられる。過去に鈴鹿で行われたレースでもF1やスーパーフォーミュラで1日分のスケジュールがキャンセルされたことがあったが、これも過去の例を見ると前日など直前にならなければ判断されないはずだが、今回はどう判断が下されるか。

 もちろん現段階でもまったく無策で週末が迎えられるわけではない。すでに交通機関に影響があることは確実視されており、予選日前日の8月30日に予定されているドライバーブリーフィングや監督ミーティングはリモートでの実施が決定したことがチームにはアナウンスされているという。また、鈴鹿サーキットにとってもスーパーGTにとってもファンの安全が最優先事項のはずで、今後の状況の変化があれば、サーキットやスーパーGTのホームページやSNSでも随時アナウンスがあるはずだ。

 実際に予選や決勝レースが行われるのかは、当日が近くならなければ分からないはず。もしサーキットまで行って中止などの状況になってしまうのがどうしても嫌な方は、事前に宿泊等含めキャンセルするなど、ご自身であらかじめ判断を下される方が良いかもしれない。まずはこの週末に大きな影響が出ないこと、そして日本全国で大きな被害が出ないことを願うばかりだ。

[オートスポーツweb 2024年08月28日]