逆転Vのキーマンは阪神・高橋遥人 「今のボールじゃ…」2カ月前は超弱気だった

AI要約

阪神・高橋遥人投手が逆転Vに名乗り出る好投を見せ、チームに貴重な勝利をもたらした。

過去の Lesme に苦しんだ経験からの復活意欲を口にし、手術を受けた過去を振り返っている。

監督の示唆により、高橋投手は再び活躍の場を得ることに期待がかかっている。

逆転Vのキーマンは阪神・高橋遥人 「今のボールじゃ…」2カ月前は超弱気だった

【球界ここだけの話】逆転Vのキーマンに名乗りだ。阪神・高橋遥人投手(29)が23日の広島戦(マツダ)で七回途中1失点の好投。崖っぷちのチームに貴重な勝利をもたらした。

「前回と同じぐらい緊張したけど、前回よりは全然よかった。思い切って腕を振れたかなと思います」

完全復活への手応えを口にした。明らかに復帰登板で1025日ぶりに白星を飾った11日の広島戦(京セラ)よりも球威、制球ともに上回っていた。高橋本人も2カ月前には想像していなかっただろう。

「今のボールじゃ(1軍の)競争に入っていけるようなレベルではない。1軍の打者には打たれると思う」

育成から支配下選手になれるか-。こんな話題がチラホラと出始めていた6月中旬。高橋は、鳴尾浜で弱気な発言を繰り返していた。

左肘の手術からの復活という周囲の期待が日増しに膨らむこともプレッシャーだった。「今年中に1軍で投げたい」といいつつ「僕は才木や島本さんと違って肘だけでない。肩や手首も痛めた。本当に、昔投げていたころの球威は戻ってくるのか」。

2022年4月のトミー・ジョン手術だけじゃない。昨年6月には「左尺骨短縮術」「左肩関節鏡視下クリーニング術」と、相次いでメスを入れ「お医者さんからは『前例がない』とまで言われたから」という。

7月20日。支配下登録復帰が発表された直後だった。「あれこれ悩んでもしようがない。これからはネガティブになるのではなく、前向きにやっていこう」。打たれることを怖がってはダメ。それよりも、また1軍で投げられる喜びを大事にしたい。そう思うことにした。

今月23日の試合後、岡田監督は「(1軍登録を)抹消するよ。そんな無理したらアカンやん」と、今後は登板間隔をあけ、高橋を首位広島との直接対決に2度、登板させるローテーションを組むことを示唆した。

「しっかりと思い切って投げ、チーム(の勝利)に貢献できれば」

もう弱虫の高橋ではなかった。(三木建次)