【阪神】もう一度救ってくれ！高橋遥人、逆転Ｖへ鯉料理再現の期待「ランナーを出さないように」

＜阪神2－5ヤクルト＞◇22日◇京セラドーム大阪

　遥人よ、もう一度救ってくれ！　阪神は最下位ヤクルトに3連勝ならず、勝った首位広島とのゲーム差が今季最大タイの5に広がった。23日からはその広島との敵地3連戦で、先陣を斬る高橋遥人投手（28）に鯉料理再現の期待が高まる。3年ぶりに1軍復帰した前回11日の同戦は、5回0封で1025日ぶり勝利を挙げ、同日の自力V消滅を救った。広島は阪神を連倒すれば最短24日に優勝マジック28が点灯する。逆転Vへ3連勝が求められる運命の戦いに弾みをつけたい。

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　逆転ムードが一瞬で沈まった。1点劣勢の8回に大山が左翼へ同点12号ソロ。京セラドーム大阪はこの日最高潮の熱気に包まれた。サヨナラ勝利を信じ、9回は両リーグ最多53試合登板の桐敷を投入。だがまさかの3失点で勝ち越しを許し、力尽きた。同点時に総立ちとなった虎党の盛り上がりはしぼみ、次々と走者が生還した。

　勝って23日からの首位広島3連戦に向かいたかったが、振り向いてはいられない。しかも先陣は今、乗っている高橋。本人も大事な一戦を前に気合十分だ。

　「しっかり試合をつくってチームの勝つ確率を上げられれば。いつもそれです」

　前回11日の同戦（京セラドーム大阪）では5回4安打無失点で1025日ぶりの復帰勝勝利。引き分け以下で自力優勝の可能性が消滅していた一戦だったが、土壇場でチームを救った。

　「（前回と）同じくらい緊張すると思う。次はビジターなので、また全然違うと思いますけど。しっかり投げられれば」

　この日の8回表終了時に予告先発で高橋が発表されると、スタンドから大歓声が湧き起こった。逆転リーグ連覇の救世主として、ファンの期待はそれほど大きい。

　2カード連続の広島戦。ファンの後押しを受けた前回と違い、広島ファンで埋め尽くされたマツダスタジアムの登板になる。19年9月6日以来、約5年ぶりの敵地球場。それでも「あまり気にならないと思うので。普通です」と頼もしげに言った。「つないでくるというか、チームバッティングをしてくるイメージがすごくある。うまく抑えられれば」と引き締めた。

　特に警戒するのは亜大の後輩にもあたる矢野だ。前回の対戦でも左前打と四球で2打席2出塁を許した。「すごく粘られて出塁を許した。アウトカウント関係なく足が速いバッターとか、上位に回る前にランナーを出さないように」。

　広島はこの日巨人に勝ち、ゲーム差は最大タイの5に拡大。さらに広島が阪神に連勝し、巨人が中日に連敗すれば、最短あす24日にも優勝マジックが点灯する。2勝1敗では1ゲームしか縮まらない。逆転リーグ連覇に向けて、何としても3連勝がほしい。シーズンも残り29試合。崖っぷちで迎える一大事な初戦を左腕に託す。【波部俊之介】

　◆高橋の前回広島戦（8月11日、京セラドーム大阪）1軍マウンドは21年11月6日、巨人とのCSファーストステージ第1戦以来、1009日となった。1回にいきなり3アウトをすべて三振で取る、上々の立ち上がり。2回の1死一塁も、菊池を投ゴロ併殺で切り抜け波に乗る。5回4安打無失点で7Kという完全復活ぶりで、21年10月21日のレギュラーシーズン中日戦以来、1025日ぶりの復活星を挙げた。試合後のお立ち台では、投球について「完璧です」と言った後で、すぐに「ウソですウソです！」と打ち消し、爆笑を誘った。

　▼阪神の京セラドーム大阪での8月ヤクルト戦の連勝は18で止まった。06年途中に「大阪ドーム」から改称後、8月中の初対戦となった10年8月13日は敗戦。だが翌14日から今年8月21日まで、18戦連続で白星を重ねてきた。