関東第一、どん底から頂点…あと一歩 胸張る高橋主将「最後まで楽しく最高の仲間とできた」 京都国際と延長死闘準優勝

AI要約

関東第一は、91年ぶり初の優勝を逃し、87年の選抜大会に続いて準優勝した。

主将の高橋徹平内野手は、高校通算61本塁打を誇り、大学を経由してプロ入りを目指すことを誓った。

チームは過去の苦境から立ち直り、夏の大会で一致団結し、堂々とした準優勝を果たした。

関東第一、どん底から頂点…あと一歩 胸張る高橋主将「最後まで楽しく最高の仲間とできた」 京都国際と延長死闘準優勝

第106回全国高校野球選手権大会決勝(23日、関東第一1-2京都国際=延長十回タイブレーク、甲子園)決勝が行われ、関東第一(東東京)は京都国際に延長十回タイブレークの末、1-2で敗れ、春夏通じて初の優勝はならなかった。87年の選抜大会に続いて準優勝。0―2の延長十回は1点を返したが、続く好機で得点を奪えなかった。高校通算61本塁打を誇る主将の高橋徹平内野手(3年)は大学を経由してのプロ入りを誓った。

春に流した涙を、この日は見せなかった。関東第一・高橋主将は、最後の打者になって泣き崩れる2年生の坂本に励ましの言葉をかけた。

「来年、戻ってきて絶対に優勝して、自分たちの借りを返してくるんだよ」

夏は同校初めて、東京勢としては13年ぶりの決勝。鍛えられた堅守で再三のピンチをしのぐと、0-0の九回1死二塁、サヨナラ機で4番の高橋に打席が回る。外角のチェンジアップを捉えて快音を響かせたものの、中飛に。「負けはしたけど、最後まで楽しく最高の仲間とできた」と胸を張った。

今春の選抜大会は自らの悪送球もあって開幕試合で敗れ「全部、自分のせい」と涙に暮れた。初戦敗退のショックからチームは一時期バラバラになった。選手間でモチベーションの差が生まれ、練習試合でも勝てず、4月の東京都大会は4回戦敗退。直後、高橋は3年生とベンチ入りの2年生を集めて言った。「全員で悪いところを言い合って、そこから変えていこう」。この呼びかけに捕手の熊谷が「練習の雰囲気が全然駄目。もっと声を出して」と続いた。私生活から見直すなど、夏に向けて気持ちを一つにした。

新たな歴史を作った関東第一。初戦を除いて1点差の死闘を繰り広げ、決勝は無失策で引き締まった展開。米沢監督は「よくやってくれた」とナインをねぎらった。高橋は「大学4年間をしっかりとやって、プロに行きたい。大学でも1つ頭が飛び抜けるぐらいの成績を残したい」と前を向いた。充実の夏、堂々の準優勝に輝いた。(尾﨑陽介)