京都国際、死力尽くし頂点 盤石だった中崎と西村―高校野球

AI要約

互いが持つ全ての力がぶつかり合い、タイブレークにもつれた決勝。最後に笑ったのは京都国際だった。

先発のエース中崎は穏やかな表情で勝利を喜び、2年生の西村も逆境を跳ね返る活躍を見せた。

苦難を乗り越え、守備力を徹底的に強化したチームが、初の栄冠を手にした。100周年の甲子園球場で喜びが爆発した。

 互いが持つ全ての力がぶつかり合い、タイブレークにもつれた決勝。

 最後に笑ったのは京都国際だった。藤本主将は「頭が真っ白。2年半のつらかったことが全部報われた瞬間だった」。これまでの鋭い目つきは、穏やかな表情に変わっていた。

 左の二枚看板は大舞台でも度胸満点。先発のエース中崎は「きょうは楽しむことを一番に考えた」。内角への直球が精度抜群で、得意のスライダーも丁寧に低めに集めた。0―0で迎えた九回2死満塁も「サヨナラ負けは頭によぎらなかった」と冷静にしのいだ。

 十回表に2点を先制し、その裏は2年生の西村がマウンドへ。自らの失策で無死満塁としたが、反撃を内野ゴロでの1点に抑え、最後は「とっさに出た」と両手を突き上げた。

 新チームになった当初、3年生は小牧監督から「(今までで)一番ひどい学年」と言われ、藤本は「悔しくてたまらなかった」。選抜は1回戦で敗れ、守備から流れをつくろうと、もう一度見直した。「シートノックでの球際の強さや内野の連係プレーは、どのチームよりやってきた自信がある」と藤本。フリー打撃もできないほど狭いグラウンドを言い訳にせず、徹底的に守備面を強化。磨き上げたものは、今大会で何度も発揮された。

 死力を尽くし、手にした初の栄冠。「束になってやる自分たちの野球を最後までできた」と藤本。マウンドにできた歓喜の輪が、100周年を迎えた甲子園球場でよく映えた。