パリ五輪サッカー日本代表「ナントの激闘」と「 忘れえぬ美食」(1)細谷真大&中山雅史の「ゴール」とカタール、南アフリカでの「格差」

AI要約

Uー23日本代表が準々決勝でスペインに敗れるも、攻める時間帯も作り、実力を示す。

女子代表も金メダルを獲得したアメリカと対戦し、男女ともに運がなかった。

フランスでの試合を見て過去の思い出がよみがえり、メディアセンターでの食事の記憶も鮮明に。

パリ五輪サッカー日本代表「ナントの激闘」と「 忘れえぬ美食」(1)細谷真大&中山雅史の「ゴール」とカタール、南アフリカでの「格差」

 サッカー取材に欠かせないものがある。旅先で、しっかりと栄養を摂ることだ。蹴球放浪家・後藤健生にとっては、食事はただの栄養補給ではない。その土地や国そのもの、そして文化を教えてくれるものなのだ。

 パリ・オリンピックに挑んだUー23日本代表は準々決勝で敗れてしまいましたが、敗れた相手はオーバーエイジも使って金メダルを獲得したスペインでした。3年前の東京オリンピック準決勝で延長の末に敗れたときも、カタール・ワールドカップで逆転勝ちしたときも、日本は内容的には守備一辺倒になってしまったのですが、今回はスペイン相手にボールを握って攻める時間帯も作り、実際に細谷真大が(幻の)スーパーゴールを決めてみせたのですから、大健闘だったのは間違いありません。

 ちなみに、女子代表(なでしこジャパン)も、準々決勝で今大会で金メダルを獲得したアメリカとの対戦になってしまったのですから、男女ともに運もなかったようです。とくに、男子の場合はグループリーグを3戦全勝で首位通過したのに、スペインと当たることになってしまったとは……。

 深夜にテレビで日本代表の試合を見ていて、舞台となったフランスの競技場、とくに女子がスペイン、ナイジェリア、男子がイスラエルと戦ったナントのボジョワール・スタジアムはとても懐かしく感じました。そう、1998年のフランス・ワールドカップで日本がクロアチアと対戦したスタジアムだったからです。

 リヨンやボルドー、マルセイユなどは2016年のEUROを前に新築されたり、全面改装されたりしましたが、ボジョワールは26年前とほとんど姿が変わっていませんでした。

 オリンピックではアナウンサーがしきりに暑さのことを言っていましたが、1998年のクロアチア戦も暑かったのを思い出しました。あの中山雅史のシュートが決まっていれば……と、次々と昔の記憶が蘇ってきました。

 そして、私はなんという食い意地の張った人間なのでしょう。試合の光景と同時に、メディアセンターでの食事の記憶が鮮明に脳裏に浮かんできたのです。

 メディアセンターの食事というのは、ヒドいものが多いのです。

 直近、2022年のカタール大会のときはピザみたいなものを買って食べた記憶がありますが、値段が高くてビックリしました。(スタジアム・メディアセンターでは)水まで有料。しかも、市内で買うときの価格の数倍も取られました。まあ、砂漠の中なので、水は貴重なのかもしれませんがね(?)。

 ちなみに、メイン・メディアセンターでは水のボトルも「蒙牛」ブランドの牛乳(オーストラリア産)も無料でした。