親族は第2次世界大戦に従軍した敵同士 “国際結婚の家族”が語り合う戦争「私たちは両方のストーリーを持っていて…」

AI要約

終戦の日に行われた愛知県護国神社での献水祭には遺族ら40人が参列し、亡くなった兵士を弔うため水を捧げた。

若い世代では終戦の日の意識が薄れており、国際結婚をした家族では戦争を美化せず、子供に戦争の真実を伝えている。

戦争に目を背けず、会話を続けることが重要であり、世界中の有事に対応するためには戦後79年の経験を活かす必要がある。

親族は第2次世界大戦に従軍した敵同士 “国際結婚の家族”が語り合う戦争「私たちは両方のストーリーを持っていて…」

終戦の日の8月15日、名古屋市中区の愛知県護国神社では献水祭が行われました。献水祭は、戦地で喉の渇きを訴えながら亡くなった人を、弔うために行われているもので、遺族ら約40人が参列し、兵士をかたどった像に水を捧げました。

(64歳の男性)

「日本をお守りいただいた英霊の皆様に感謝の気持ちを込めて」

(76歳の男性)

「私の叔父が、広島と長崎に原爆を落としましたテニアン島で戦死しているんですよ。戦争という言葉をこの地球上からなくしてほしい」

終戦から79年。あの日、玉音放送が流れ戦争が終わったことを知らない人もいます。街の人に聞いてみると…

■8月15日は何の日?

Qきょう(8月15日)何の日か知ってる?

(21歳の女性)「知らないです」

終戦の日だと伝えると…

(21歳の女性)「あー、んーなんかあんまりピンとこないんですけど」

別の若い世代の人に聞いてみても…

(24歳の女性)「本当にあったことなのかぐらいの実感がないレベルで。」

(24歳の男性)「機会があったら、そうですね、なんかこう、考えなきゃいけないなということはあったりはしますね。」

79年が経ち、薄れていく戦争の記憶。体験を直接聞くことも難しくなってきています。こうした中、国際結婚をした人たちはどう戦争を伝えているのでしょうか。

■親戚は敵同士「戦争を美化しない」

愛知県尾張旭市に住むカナダ人のエリン・ギレスピーさんは、夫の大関正恭さんと中学1年の息子亘麿くんの3人家族。ギレスピーさんと夫・大関さんの親族は第2次世界大戦に従軍した敵同士でした。

(エリン・ギレスピーさん)

「私たち家族は両方のストーリーを持っていて、偏りなく息子と共有しています」

ギレスピーさんは、家族で戦争の話題を避けることはなく、むしろ熱心に語り合うと言います。大切にしているのは「戦争を美化しない」、そして「なぜ戦争が起きたのかを知る」こと。日本とカナダ、両方の戦争博物館も訪れています。

(エリン・ギレスピーさん)

「私たちは第2次世界大戦にこだわってはいません。戦争は、私たちが生きる世界でも無視できないものです」

ウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ攻撃など、世界全体に有事が広がる中、79年つづいた「戦後」をこれからも続けるにはどうすればいいか?戦争から目を背けず、会話し続けることで気付くことがありそうです。