日本陸連、選手へのSNS誹謗中傷に声明「法的措置も辞さない」 一部メディアの『きっかけ』となる報道にも苦言

AI要約

パリ五輪でアスリートに対する誹謗中傷が問題化したことに対し、日本陸連が声明を発表。心無いコメントが投稿されたことが指摘される中、選手や関係者を守るために法的措置も辞さない考えを示す。

女子競歩選手の個人種目辞退に際し、柳井選手が厳しいコメントに傷ついたことを明かす。批判ではなく、応援が選手にとって力になることを強調し、心無い中傷を止めるよう訴えた。

また、メディアが連盟声明と異なる見出しで報道したことに対し、誤解を生む可能性を指摘。正確な情報伝達の重要性を訴え、メディアに正しい情報を伝える責務を強調した。

日本陸連、選手へのSNS誹謗中傷に声明「法的措置も辞さない」 一部メディアの『きっかけ』となる報道にも苦言

 パリ五輪でアスリートに対する誹謗(ひぼう)中傷が問題化したことを受け、日本陸連は15日、公式サイトに声明を発表した。

 声明では「SNSでの心無い誹謗中傷は、心を深く傷つけ、不安に陥れる原因となります。大会に向けて、日々人生をかけて努力を続ける選手や関係者への心無い誹謗中傷は、どんな理由があろうと許されるものではありません」と強調。既に日本オリンピック委員会(JOC)が声明を出しているが、陸連としても「選手や関係者を守るために、行き過ぎた内容の誹謗中傷の投稿に関しては、今後法的措置も辞さない考えを持っております」と警告した。

 また、一部のメディアが「連盟からの発信と異なる見出しをつけて報道したことから、読者の誤解を招き選手への誹謗中傷のきっかけとなった」と指摘。「意図的に誤解を招く形で情報が拡散されることにより、間違いでは済まされない事態を引き起こし得ることをご理解いただくとともに、メディアとして世の中に正しい情報を伝えていただく役割を果たされることを強く願います」と苦言を呈した。

 パリ五輪の陸上では、女子20キロ競歩の岡田久美子(32)=富士通=と柳井綾音(20)=立命大=が混合競歩リレーに専念するため個人種目を辞退すると発表されたところ、SNS上で心ないコメントが書き込まれた。柳井が自身のX(旧ツイッター)で「たくさんの方から厳しい言葉に傷つきました。試合前は余計神経質になり、繊細な心になります。批判ではなく応援が私たち選手にとって力になります。批判は選手を傷つけます。このようなことが少しでも減って欲しいと願っています」と表明する事態となっていた。 (写真はAP)