補欠の運用再検討へ 前田欠場で入れ替えできず―マラソン〔五輪〕

AI要約

パリ五輪の女子マラソンで代表に決まっていた日本記録保持者の前田穂南が右大腿骨疲労骨折で欠場

補欠選手との入れ替えができなかったことに関して日本陸連が再検討を示唆

今後の五輪に向け、代表選手と補欠の立場を考慮した議論が必要とされている

 パリ五輪の女子マラソンは、代表に決まっていた日本記録保持者の前田穂南(天満屋)が右大腿(だいたい)骨疲労骨折で欠場した。

 日本陸連によると、9日のMRI検査で診断され、発表はレース前日の10日。補欠選手との入れ替えができなかったことを踏まえ、日本陸連の高岡寿成シニアディレクターは補欠を巡る運用を再検討する考えを示した。

 日本陸連によると、レース前日の午前9時までは選手の入れ替えが可能。だが、陸連は補欠登録の解除時期を8月2日に設定していたため、細田あい(エディオン)と入れ替えられなかった。解除時期に関して高岡氏は「調整期間に入ってからはけがのリスクが低くなる。その前のタイミングで解除することが、補欠選手の精神的ストレスの解消にもなる」と説明した。

 男子で金メダルを獲得したタミラト・トラ(エチオピア)は、直前に補欠から繰り上がった選手だった。一方、日本では2008年北京五輪の女子で連覇が懸かっていた野口みずきが直前に故障で出場できなくなり、代わりの選手も起用できなかった例がある。今後の五輪に向け、代表選手と補欠の双方の立場を踏まえた議論を深める必要がありそうだ。