「いずれは凱旋門賞を勝ちたい」 積極的に海外へ向かう田中博康調教師の飽くなき探求心

AI要約

美浦の田中博康調教師がフランス入りし、将来に備えて下調べを行っている。元騎手時代から海外での競馬に興味を持ち、フランスを含む様々な国を訪れてきた。

特にフランスでは凱旋門賞制覇を目指す意思を示し、日本馬の勝利に向け適材適所を模索している。ジャックルマロワ賞観戦や調教師の馬に騎乗するなど、多角的な活動を展開している。

今後はアルカナセール視察を経てイギリスに渡り、管理馬の遠征に向けて活動を続ける予定。

 現在、フランス入りしているのが美浦の田中博康調教師(38)だ。

「将来、使う可能性もあるので、下調べのつもりで来ました」

 現地時間11日、ドーヴィル競馬場で行われたGⅠジャックルマロワ賞を観戦するとそう語った。

 騎手時代の田中博康調教師に相談を持ちかけられたのは2011年。「どこか海外のレースや調教に乗ってみたい」という話だったので、ツテのある国をいくつか挙げたところ、本人から「フランスへ行ってみたい」との返答。これを機にフランス入りしたのを皮切りに、イギリス、アイルランド、オーストラリアなど、様々な国へ一緒に行った。その中でも彼にとってフランスは特別な思い入れがあるようで「いずれは凱旋門賞を勝ちたい」と口にする。

 同時に適材適所で、日本馬が勝ちやすいレースを模索する姿勢も忘れない。その一環として、今回はジャックルマロワ賞を観戦すると、そのままかの地にとどまり、今週末は同競馬場で開催されるアルカナセールを視察する予定。そして、その間を利用して、騎手時代も過ごしたシャンティイへも足を運ぶプランでいる。

 また、現地時間13日の朝には、同競馬場で開業するフランストップトレーナーの1人であるジャン・クロード・ルジェ調教師の管理馬2頭の調教にも騎乗。

「フランスでの調教自体はたくさん乗ったことがあるし、ドーヴィル競馬場でのレースにも騎乗経験はあります。ただ、調教師目線で見たことはなかったので、今回はそういう立場で考えたくて、乗らせてもらいました」

 結果として「競馬場でもしっかりとした負荷をかけられることが分かった」ほか、多くの面で収穫があったという。

 アルカナセールの後はイギリスへ渡り、ドゥレッツァ(牡4・尾関)が出走するヨーク競馬場でのGⅠインターナショナルS(21日=芝2050メートル)の視察も予定している。いつか来る自らの管理馬の遠征へ向け、さらに大きな収穫を得られることを期待したい。(平松さとし)