【コラム】“真夏のダービー”に最強牝馬ソーピードアンナが殴り込み 勝てば110年ぶりの偉業

AI要約

今年のトラヴァーズSには、牝馬のG1レースを3連勝中のソーピードアンナが挑戦することが決定。

牝馬が勝てば110年ぶりの偉業となる可能性があり、牝馬最強馬と牡馬一線級が激突する注目のレースとなる見通し。

11月のG1ブリーダーズCクラシックの前売り1番人気は日本のフォーエバーヤングと欧州のシティオブトロイが争い、米国勢は2番手に甘んじている。

 真夏のダービーに“ミスアメリカ”が殴り込み。

 ケンタッキーオークスなど牝馬のG1レースを3連勝中で、今年の3歳牝馬チャンピオンを確実にするソーピードアンナ(父ファストアンナ)が今月24日に行われるG1トラヴァーズS(ダート2000メートル、サラトガ)の挑戦にかじを切りました。

 20年のG1プリークネスSを牝馬のスイススカイダイバーで制した実績を持つK・マクピーク師が、これにまさるとも劣らぬスケールを秘めるソーピードアンナの挑戦を決めたもの。牝馬が勝てば110年ぶりの偉業となります。

 今年のトラヴァーズSには3冠最後のG1ベルモントS(ダート2000メートル、サラトガ)と7月のG1ハスケルS(ダート1800メートル、モンマスパーク)を連勝し、暫定王者の座にあるドーノック(牡3、父グッドマジック)を筆頭に、G1ケンタッキーダービー(15着)はハイペースに巻き込まれて惨敗したものの、前走のG2ジムダンディS(ダート1800メートル、サラトガ)で復活ののろしを挙げた2歳王者フィアースネス(牡3、父シティオブライト)、それにケンタッキーダービー2着、ベルモントS3着、ジムダンディSで2着と、勝てないまでも安定した成績を続けるシエラレオーネ(牡3、父ガンランナー)など牡馬一線級が顔をそろえる予定。これに牝馬最強馬が加わるとなれば、この夏一番の注目レースとなることは間違いありません。

 11月2日に行われるG1ブリーダーズCクラシック(ダート2000メートル、デルマー)の前売り1番人気は直線での不利があったケンタッキーダービーで3着に好走した日本のフォーエバーヤング(牡3、矢作、父リアルスティール)と21日のG1英インターナショナルSの本命馬でBC挑戦をにおわせている欧州のシティオブトロイ(牡3、父ジャスティファイ)の2頭が分け合って、まだ傑出馬のいない米国勢は2番手グループに甘んじています。

 10日後に迫った“真夏のダービー”の行方に注目です。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)