新庄剛志先輩、待ってます 3回戦進出の西日本短大付、監督はビッグボスの同級生「新庄の日程が合うようなことがあれば最高」

AI要約

西日本短大付は甲子園での2連勝を果たし、13点を挙げて圧勝した。

2年生の井上蓮音が適時バスターエンドランで先制点を挙げ、勝負強さを示した。

井上蓮音は2試合で8打数4安打の活躍を見せ、チームの勝利に貢献している。

新庄剛志先輩、待ってます 3回戦進出の西日本短大付、監督はビッグボスの同級生「新庄の日程が合うようなことがあれば最高」

 ◆全国高校野球選手権2回戦 西日本短大付13―0菰野(14日・甲子園)

 西日本短大付(福岡)が全国制覇を果たした1992年以来となる夏の甲子園での「1大会2勝」を挙げた。

 3回には打者12人の猛攻で1イニング8得点を挙げるなど、同校にとって甲子園での最多得点となる13点を挙げた。投げてもエース村上太一(3年)と中野琉碧(2年)の継投で菰野(三重)を零封。その圧勝劇の幕開けは、1回無死一塁で、2番打者の〝小さな巨人〟こと、2年生の井上蓮音が鮮やかに決めた〝適時バスターエンドラン〟だった。

 先攻の西日本短大付は1回、先頭の2年生・奥駿仁が四球で出塁。「トーナメントの中で、先制点というのはやっぱり大きい。主導権が握れますし、守り方も変わってくる。先取点が欲しいのは本音」という西村慎太郎監督の言葉をそのまま読み解けば、まず走者を得点圏に送って、クリーンアップにつなげるという、堅実な選択、つまり送りバントがセオリーだろう。ところが井上蓮へ出した3球目のサインは「バスターエンドラン」だった。

 「井上(蓮)は、打球が飛ぶんです。バッティング練習なんか見ていたら、あの体でこんなに放り込むんだ、って。だから、バントをさせたくない気持ちもある。井上のバッティング、僕は買っているんです」と西村監督。身長1メートル65は高校野球の世界でも「小兵」と呼ばれるサイズだが、福岡県大会7試合で、打率5割ちょうどに6打点、四死球4に犠打も9と、それこそ大技小技、何でもござれのマルチプレーヤー。甲子園初戦の金足農(秋田)戦でも、1回1死三塁から先制の左前打を放つなど3安打をマーク。その勝負強さを見込んだ西村監督から大胆な強攻策のサインが出ると、井上蓮も冷静に相手の守備シフトを見ていた。

 「ランナーが走ったら、ショートが二塁へ動くと思ったんです。だからショートゴロを狙ったんですけど、思ったよりインコースに球が来たので、思い切り引っ張りました」

 ベースカバーのショートが〝不在〟になる定位置を狙って打てば、左前打になる。その想定で122キロの内角ストレートを強振。鋭い当たりは三塁線を破る二塁打となって、一走の奥は楽々生還。2年生の1、2番コンビで、わずか9球での先制点を挙げた。さらに井上蓮は3回1死での第2打席では、カウント2ストライクと追い込まれてから粘った。「追い込まれて、あまり打てる気がしなかったので、カットしたりして、球数を多く投げさせた方がいいかなと思っていました」と慎重に菰野のサイドハンド・森柊真の投球を見極め、4球連続のボールを選んで四球で出塁すると、そこから打線が一気につながっての猛攻8得点。菰野の先発を、左腕の背番号1・栄田人逢と予想していた西村監督は「見誤ったのは申し訳ないなと思った」と振り返っていたが、そんな〝想定外〟も井上蓮の強打と選球眼で、いとも簡単に乗り越えてしまった。井上蓮は甲子園2試合で8打数4安打の打率5割、しかも2試合とも1回に先制タイムリーを放つという〝巨人ぶり〟を発揮中だ。