【大学生が書きました】学生記者が王貞治さんの記者会見で引き出した次世代につなぎたい野球愛。亡き米本塁打王の遺志を胸に。第30回世界少年野球大会が大野城市で

AI要約

福岡県大野城市で開催された第30回世界少年野球大会に学生記者として取材に参加した3人の大学生が、王貞治氏やハンク・アーロン氏の情熱を感じたエピソード。

王貞治氏や中畑清氏は、野球の普及と五輪競技としての確立に向けての取り組みを行っており、未来への期待を示した。

子どもたちのプレーに触発され、取材を通じて野球の素晴らしさを再確認した学生記者たち。

【大学生が書きました】学生記者が王貞治さんの記者会見で引き出した次世代につなぎたい野球愛。亡き米本塁打王の遺志を胸に。第30回世界少年野球大会が大野城市で

 西スポWEB OTTO!が主宰する学生スポーツゼミ(ゼミ長・市川圭之介日本経済大学准教授)を受講している大学生3人が、福岡県大野城市で開かれた第30回世界少年野球大会を本職の運動記者に交じって学生記者として取材した。大会は通算本塁打868本の世界記録を持つ王貞治ソフトバンク球団会長(84)と米大リーグ2位の755本塁打を放った故ハンク・アーロン氏の提唱で1990年から続く。炎天下のグラウンドに足を運び、子どもたちのプレーに熱い視線を送る王さん。次世代に野球愛をつなぐレジェンドの情熱に触れ、学生たちは何を感じたのか。

 藤井遥駆記者

 ドキドキの瞬間だった。プロの記者たちが居並ぶ王さんの記者会見。取材時間の終わりが近づき、主催者側の司会者が「では、最後の質問です」と告げたとき、私は勇気を振り絞って手を挙げ、王さんに質問をした。

 「コロナ禍があって大会開催は5年ぶり。この間にハンク・アーロンさんが惜しまれながら亡くなった。ひと言、声をかけられるなら何と?」

 王さんは私の質問にこう答えてくれた。

 「そうですね。純粋に自分たちの経験を子どもたちに経験させたいと2人で始めたんですよね。残念ながら(アーロンさんは天国に)旅立ってしまって。人間ってのは途切れるもんですよね。でも、思いというのはつなげられますから。ハンクさんの思いをわれわれが受け止めて、参加してくれる子どもたちに伝えたい。そうすれば、ずっと野球ってのはつながっていく」

 王さんの顔は、寂しさ半分、野球界の未来への前向きな期待半分といった表情に見えた。多くの野球関係者が日米のホームランキングの思いをつないでほしいと思った。

 西井田直登記者

 今回のパリ五輪で野球は競技として行われていない。インタビューした王氏と中畑清氏(巨人OB)の両氏は、今後の五輪で野球・ソフトボールが競技として定着すべく、この大会などを通じて引き続き野球の普及に取り組んでいきたいと話した。

 いくつになっても変わらない野球への情熱を語る両氏の目の輝きが印象に残った。中畑氏は「この大会でもっと野球を好きになってほしい」と述べた。私は野球が好きなので、お二人の話を聴きながら、自分も野球を好きになってもらえるように取り組めることがないか考えた。

 練習している子どもたちはとても楽しそうで、野球をしたことが ない子でも、一生懸命取り組んでいる姿を見て、自分も野球がしたくなった。