「なんで地上波ないの」無敵の藤波朱理でも…メダルラッシュのレスリングがあまりライブ放送されない深い(?)ワケ「ぜひ、という意欲が…」

AI要約

パリ五輪でレスリングが快進撃を続けている。女子選手が金メダルや銅メダルを獲得し、男子選手も活躍を見せている。

過去の男子選手の活躍に加え、最近のグレコローマン種目での金メダル獲得も特筆される。しかし、地上波の放送が限られており、競技全体が視聴されていないという課題がある。

オリンピックの放映権料に関連して、どの競技が放送されるかはNHKと民放連の協議によって決まる。

「なんで地上波ないの」無敵の藤波朱理でも…メダルラッシュのレスリングがあまりライブ放送されない深い(?)ワケ「ぜひ、という意欲が…」

 パリ五輪でレスリングが快進撃を続けている。

 8月10日時点で、金メダルは女子の藤波朱理、櫻井つぐみ、元木咲良。男子では樋口黎、文田健一郎、日下尚。銀メダルを男子の高谷大地、銅メダルを女子の須崎優衣、尾崎野乃香が獲得している。

 さらに最終日の8月11日にも、女子76kg級決勝に鏡優翔、男子フリースタイル65kg級決勝に清岡幸大郎が出場する。

 137連勝へと記録を伸ばすことになった藤波の優勝をはじめ女子は全階級でメダル獲得。それに劣らず、男子の活躍もめざましい。

 男子のこれまでの金メダルを振り返れば、1964年東京五輪で計5個、1968年メキシコ五輪で計4個の金メダルを獲得し「お家芸」とも言われた。だが、1988年ソウル五輪で2個獲ったあとは、2012年ロンドン五輪で米満達弘が獲得するまで世界一に届く選手はいなかった。米満のあとも、東京五輪で乙黒拓斗が獲った1個に限られる。

 しかも2種目あるうち、どちらかと言えば苦戦を強いられてきたグレコローマンで、1984年ロサンゼルス五輪以来となる金メダルを文田、日下の2人が獲ったことも特筆される。

 ただ、それらの活躍は、地上波においてライブで観られる機会は限られた日のみで、ほぼないに等しかった。決勝で圧勝劇を見せた藤波の試合も、櫻井や文田の決勝も中継されていない。藤波に限らず、他の競技の中継後に録画で、あるいはニュースで取り上げられる、というケースばかりだった。NHK-BSでこそライブで放送されていたが、やはり地上波放送がないことの影響は小さくない。

「どうしても放送したい、という熱意をもった局がなかったということではないでしょうか」

 広告代理店でオリンピックに携わる担当者はこう話した。

 オリンピックはNHKと民間放送連盟で構成する「ジャパンコンソーシアム」が放映権料を支払っている。

 そのため、放送する競技は、まずNHKと民放連で話し合って割り振られる。そして、民放連で中継することになった競技を、今度は民放連内で話し合い、どの局が中継するか決めていく。