「気づいていたものの…」2026年W杯共同開催のため黙認?カナダ代表が米国男子代表にも過去ドローン偵察か【パリ五輪】

AI要約

カナダ女子代表がスパイスキャンダルで問題となり、ドイツに敗れてパリ五輪で敗退。米国代表チームの練習を偵察していたことが報じられ、複数の大会でスパイ行為が明らかになった。

ドローンを使用したスパイ行為は2019年から続いており、複数の国との試合で行われていた。カナダサッカー協会がスパイ行為を否定しているものの、関係者の証言が続々と明らかになっている。

このスキャンダルにより、カナダ女子代表の資格停止処分や多額の罰金が科されており、今後の国際試合での影響が懸念されている。

「気づいていたものの…」2026年W杯共同開催のため黙認?カナダ代表が米国男子代表にも過去ドローン偵察か【パリ五輪】

 カナダ女子代表は現地時間3日、パリ五輪(パリオリンピック)の女子サッカー競技・準々決勝でドイツ女子代表に敗れた。チームは敗退したが、スキャンダルに関する真相が次々と明らかになっている。カナダが米国代表チームのトレーニングをスパイしていたことを内部関係者が暴露したと、米メディア『エッセンシャリースポーツ』が報じた。

 事の発端は、初戦ニュージーランド戦が行われる前に、カナダ女子代表のスタッフであるチームアナリストのジョセフ・ロンバルディ氏が、ニュージーランド女子代表の練習をドローンで偵察していたことにある。それにより、カナダ女子代表は勝ち点6剥奪、カナダサッカー協会には多額の罰金が科せられ、ベブ・プリーストマン監督を含む3人のスタッフは1年間の資格停止処分を受けることになった。そして、調査が進む中で、国際サッカー連盟(FIFA)はプリーストマン監督がやり取りしていた電子メールの一部を公開。パリ五輪だけでなく、それ以前の主要な大会でも同様にスパイ行為をしていたことが明らかになっている。

 同メディアによると、ポッドキャスト『メン・イン・ブレイザーズ』に出演したリック・ウェストヘッド記者は弁護士に相談するだけでなく、ジョセフ・ロンバルディ、ジャスミン・マンダー、ジョン・ハードマンなどの関係者にも連絡を取り、独自に内部関係者の情報を入手。司会者のゴメス氏が、どのくらいの期間ドローン偵察が行われていたか質問すると「パンデミック以前にまで遡る。少なくとも2019年には、男子チームのスタッフが米国男子代表の練習でドローンを飛ばしていたので、何年も遡るのは間違いない」と答えたという。ただし、米国が騒ぎ立てることはなかった。同メディアは「ゴメスは、米国サッカー連盟がカナダにスパイされていることを知っていたと言及したが、イーグルスは報告を拒否した。米国代表チームの関係者は、特にカナダと米国が2026年FIFAワールドカップを主催する今、両国間の政治的均衡を保つために行われたとされていると明かした。米国代表チームがカナダを報告しなかったことに疑問を抱く人は多いだろうが、だからといって他のチームが彼らを許したわけではない!」と伝えている。

 ウェストヘッド記者の調査によると、2019年5月12日にはFIFA U17ワールドカップ予選の前にコーチングスタッフの一部がドローンを使ってコスタリカの非公開トレーニングセッションをスパイしていたという。また、2021年にはワールドカップ予選でカナダ代表がホンジュラス代表と対戦する前、練習場の上空にドローンが飛んでいることをホンジュラス代表が報告したものの、この主張は実証されなかったようだ。他の事例では、カナダサッカー協会が非公開の練習をスパイするために職員を派遣したと、パナマサッカー連盟が非難したものの、証拠不十分で訴訟は却下されたとのこと。これまで見過ごされていた事が、今回のスキャンダルで、点と点を結びつけるきっかけになるかもしれない。