【柔道】フランスの主役のまさかの銅メダルをレキップ紙が大きく報じる コーチと娘との愛と絆

AI要約

女子63キロ級の31歳、東京五輪女王クラリス・アグベニェヌ(フランス)が金メダルを逃したこと、まさかの結末を、7月31日付のフランス、レキップ紙が大きく特集している。

アグベニェヌは金メダルを獲得するために重要な準決勝で敗北し、銅メダルを獲得したが、失望を感じている様子が報じられている。

試合後、アグベニェヌは自身の戦術的なミスについて振り返り、感情的なコメントをしている。

<パリオリンピック(五輪):柔道>◇30日◇女子63キロ級◇シャンドマルス・アリーナ

 女子63キロ級の31歳、東京五輪女王クラリス・アグベニェヌ(フランス)が金メダルを逃したこと、まさかの結末を、7月31日付のフランス、レキップ紙が大きく特集している。

 26日の開会式で聖火リレー走者を任され地元で五輪2連覇を狙ったが、夢は準決勝でついえた。銅メダルは獲得したが、同紙は「失望した女王」との見出しで、次のように書いている。

 「昨日、63キロ級の準決勝でまさかの敗北を喫したアグベニェヌは、表彰台(銅メダル)を勝ち取って、ぼうぜん自失から抜け出すことには成功した。ただ、オリンピックの2連覇しか視野に入れていなかった彼女にとっては、あまり慰めにはならないだろう。

 メダルセレモニー後の数分間、彼女にとってどれほど長く感じられたことだろう。視線を固定したまま、63キロ級の他の表彰台のメンバーと共にカメラに向かってポーズをとり、明らかに見せかけの笑顔を浮かべたあの瞬間だ。

 準決勝でレスキに敗れるまでは、金メダルを狙うのに理想的な位置にいるように見えた。最大のライバルである日本人の高市ら3人が序盤で敗退したためだ。しかし、昨日まで過去5戦で1度もアグベニェヌに勝ったことがなかった27歳のスロベニア人、粘り強いレスキが、技ありを決め、勝利した。

 『戦術的なミスだった』と彼女のコーチであるドゥラコット氏は嘆いている。『彼女はペナルティー(指導2-1)で差をつけた。試合をコントロールするだけで十分だった』。アテナ(2歳)の母(アグベニェヌ)も同意している『欲張りすぎました。彼女(相手)は疲れていたし、私はいい状態だったので、ゴールデンスコアに入るだろうと自分に言い聞かせるべきだった』。

 結果に深刻なショックを受けていた。『全く試合に身が入っていなかったので、リュド(コーチ)に感謝』と話した。『彼の、目を覚ませ、という意味の暗い目つきと、観衆がそれに拍車をかけてくれて、私はあきらめられないと自分に言い聞かせた』と付け加えた。

 『リュドは、私がここでこの金メダルを獲得するためにずっと付き添ってくれたので、彼に金メダルを届けられなくてがっかりしている。リュド、ごめんなさい。そして皆さんごめんなさい。私はホームで勝つべきだったから』。

 この短い話し合いの後、彼女はようやく親しい人々と合流し、娘を抱きしめることができた。東京からパリまでの道のりが長く豊かなものであったことを思い起こさせた。『彼女が妊娠、出産し復帰したことを忘れてはならない』とコーチは言った」

 (松本愛香通信員)